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【W杯 今日の注目選手】メッシ級“宇宙人”クロアチア司令塔のモドリッチ

[ 2018年7月1日 22:00 ]

W杯決勝トーナメント1回戦   クロアチア―デンマーク ( 2018年7月1日    ニジニーノブゴロド )

クロアチアを20年ぶり1次リーグ突破へ導いたモドリッチ
Photo By ゲッティ イメージズ

 「別の惑星から来た選手」。メッシが称賛される際の表現だ。そして、その言葉は今のクロアチアMFルカ・モドリッチ(32=レアル・マドリード)にも該当する。バルセロナで敵対し、代表では仲間となるMFラキティッチは言う。「イニエスタとモドリッチは別の惑星から来たみたい。僕らとサッカーを楽しむために」。1次リーグは2得点でマン・オブ・ザ・マッチも2回。3―0で快勝したアルゼンチン戦はメッシ相手に“支配者”ぶりを見せつけた。

 視野の広さ、左右とも高精度のボールコントロール、隙のない判断から繰り出すパスにドリブル。司令塔としても世界トップクラスだが、小柄ながら強いフィジカルと読みを生かした守備でも貢献する万能型の「背番号10」だ。C・ロナウドら強烈な個性が集まるRマドリードでは中盤で献身的にバランサーを務める一方、スター選手にも遠慮なくモノを言うリーダーシップも発揮。欧州CL3連覇の真の立役者と言える。

 大会前、かつて所属したディナモ・ザグレブのマミッチ元会長が横領などの罪で有罪判決を受けた。モドリッチには元会長の裁判における偽証罪の疑いで最長懲役5年の可能性がある。だが、クロアチアを98年大会以来20年ぶりの1次リーグ突破と初の3連勝での1位通過に導いた英雄を収監したら、国民が黙ってはいないだろう。1日のデンマーク戦から始まる決勝トーナメントへは「足を地に着けて1試合ずつ戦う。道のりは長い」と慎重だが、ブラジル、ベルギー、フランスとは反対側のブロック。組み合わせは恵まれた。98年大会の3位超え、東欧初のW杯制覇も夢ではない。

 ◆ルカ・モドリッチ 1985年9月9日生まれ、旧ユーゴスラビア・ザダル出身の32歳。祖父はユーゴ紛争でセルビア軍に殺害された。16歳でディナモ・ザグレブの下部組織入りし、03年にトップデビュー。レンタル移籍を経て05年からリーグ3連覇に貢献。08年にトットナム、12年にRマドリードへ移籍。欧州CL4度、クラブW杯3度優勝。W杯出場3度など代表通算109試合14得点。1メートル72、66キロ。背番号10。

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2018年7月1日のニュース