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岡崎 天国の恩師に届ける3大会連続ゴール「見てくれていると思う」

[ 2018年6月22日 08:30 ]

W杯1次リーグH組   日本―セネガル ( 2018年6月24日    エカテリンブルク )

日本代表練習で軽快な動きを見せる岡崎(撮影・西尾 大助)
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 サムライは静かに、勝負の時を見据えて剣を研ぐ。20日の練習では持ち味の泥くさいハードワーク。ミニゲームでは痛めていた両ふくらはぎの影響は感じさせなかった。日本列島を席巻する「大迫、半端ないって」ブーム。ただ、それは岡崎の闘志にも火を付けた。

 「(ブラジルW杯後は)悔しい思いをしてきた。(ロシアへの道は)そこから始まっている。今日から再びスタートを切れる」

 コロンビア戦では大迫に代わって後半40分から出場。シュートチャンスはなかったが、4年前に完敗を喫した宿敵へのリベンジに貢献した。次なる目標は連勝に導く3大会連続ゴールに他ならない。

 ロシアは、59歳で亡くなった恩師にささぐ舞台でもある。16年6月。レスターの欧州キャンプ中、唐突に電話が鳴った。両親からだった。午前5時。寝起きで意識がもうろうとしている中、小中時代の9年間を過ごした宝塚FCの恩師・田尻克則さんが重篤な肺がんに侵されていることを聞いた。目が覚めた。その後、スマホのテレビ電話機能を利用して田尻さんと最後の会話ができた。呼吸器を外して話してくれたという。

 「苦しそうだったけど表情は明るかった」

 伝えられるだけの感謝と、さらなる成長を誓った。田尻さんは少年時代の岡崎に「上を見すぎると派手なことをしたがる」と口を酸っぱくして説いてくれた。会話を交わした2日後に亡くなった恩師の最後の言葉は、今も胸に刻まれている。

 昨年3月28日のW杯ロシア大会アジア最終予選のタイ戦以来、A代表で得点を奪っていないが「(天国から)見てくれていると思う。しっかり応えたい」。セネガル戦で得点すれば32歳2カ月8日でW杯では日本人最年長得点となる。泥くさく、かつ、居合抜きのような鋭さで、セネガルのゴールを陥れる。

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2018年6月22日のニュース