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【W杯 今日の注目選手】“コソボ魂”でシャキリが切り裂く!

[ 2018年6月22日 23:25 ]

W杯1次リーグE組   スイス―セルビア ( 2018年6月22日    カリーニングラード )

ブラジル戦でボールをキープするスイス代表のシャキリ(手前)(AP)
Photo By AP

 E組初戦でブラジルと引き分け、評価を高めたスイス。22日に対戦するセルビアとは初顔合わせだが、自国民以外の声援も受けて戦うことは間違いない。多くの犠牲者や難民を出した紛争の末、10年前にセルビアから独立宣言したコソボ国民の声援だ。スイスにはMFベーラミ、MFシャカ、そしてMFシェルダン・シャキリ(26=ストーク)とコソボ系の選手が3人もいる。

 スイスにはコソボ難民が約20万人いると言われ、シャキリも生後まもなく家族でバーゼル近郊の村へ移ってきた。政治的な要素が絡む話だけに、セルビア戦直前の3人は無言。だが、シャキリは「コソボ生まれを忘れたことはない」と日頃から話しており、コソボのFIFA加盟の際には“国籍変更”を希望したほど。昨年12月、W杯の組み合わせが決まった時も「いい組じゃないか」とセルビア戦へ意欲を見せていた。

 W杯は3度目。10年南アフリカ大会は途中出場1試合だったが、14年ブラジル大会ではホンジュラス戦でハットトリックを記録して16強進出に貢献した。54年スイス大会以来の8強を狙う今回も初戦からCKでアシストをマーク。「ブラジル戦で自信がついたし、決勝トーナメントへ行ける確信が持てた」と手応えを口にしている。

 小柄ながらフィジカルが強く、右サイドからのカットイン、ドリブル、強烈なキック力が持ち味。ストークの2部降格が決まり、リバプール移籍が報じられるなどW杯前から周囲は騒がしい。セルビアサポーターからの過激な挑発も懸念される因縁の一戦で、「アルプスのメッシ」が本領を発揮するか。

 ◆シェルダン・シャキリ 1991年10月10日生まれ、旧ユーゴスラビア(現コソボ)・ジラン出身の26歳。01年に10歳でバーゼルの下部組織入りし、09年にトップチーム昇格。12年にバイエルン・ミュンヘンへ移籍し、13年に欧州CL制覇など5冠を経験。15年にインテル・ミラノを経てストークへ移籍。代表通算71試合20得点。1メートル65、78キロ。背番号23。イスラム教徒で、スイス、コソボ、アルバニアの国籍を持つ。

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2018年6月22日のニュース