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「グラスゴーの奇跡」へ!清武“不敗弾”宣言

[ 2012年7月26日 06:00 ]

スペイン戦に向け練習する清武(右)ら

1次リーグD組 日本-スペイン

(7月26日 グラスゴー)
 男子五輪代表は26日、グラスゴーで行われる1次リーグ初戦でスペインと対戦する。優勝候補の大本命との対戦を前にして、右MFで先発が濃厚なMF清武弘嗣(22=ニュルンベルク)は堂々のゴール宣言。10年に前所属のC大阪に移籍して以来、ゴールを決めれば代表戦を含め20試合不敗の神話を持つ男のゴールが「グラスゴーの奇跡」を演出する。

 短い言葉のなかに打倒・スペイン、そして得点へのこだわりが凝縮されていた。右MFで先発濃厚な清武は25日の前日練習も終始リラックスムード。時折笑みを浮かべながら、ピッチで精力的に体を動かした。練習前の会場視察で確かめた芝については「ピッチはよかった」と好印象を口にし、決戦に向けては「シュートを決めたい。頑張ります」と決意を示した。

 公式戦でゴールを決めれば20戦負けなしを誇る。10年のC大阪移籍後、7月24日の山形戦でゴールを決めて以来、得点した試合は18戦無敗、関塚ジャパンでも昨年6月のアジア2次予選クウェート戦(豊田)、今年3月14日のアジア最終予選バーレーン戦(国立)と2戦2勝。勝利を引き寄せるエースとして進化を続けてきた。清武は五輪前の強化試合3試合ではいずれも無得点。関係者によると、21日のメキシコ戦決勝弾の大津や2戦連発の杉本の活躍に刺激され、いつになくゴールにこだわりを見せているという。メキシコ戦後も「自分が決めるチャンスはあった。次はしっかり決める」と、勝利に酔う同僚をよそに悔しそうに語る姿が印象的だった。

 優勝候補のスペインは24歳以上のオーバーエージ枠でFWマタとMFハビ・マルティネスを加え、マンチェスターUの守護神デヘア、欧州選手権決勝でゴールを決めたDFジョルディ・アルバらそうそうたるメンバーが名を連ねる。日本は劣勢を伝えられているが、無敵艦隊撃破のイメージはつかんでいる。96年アトランタではブラジルのDFラインのミスをついて「マイアミの奇跡」を起こした。21日のメキシコ戦でも意識的に相手DFの裏にボールを放り込み、1トップだったFW永井を走らせチャンスを演出。新主将のDF吉田も「清武や宇佐美がボールを持って前を向くとチャンスになる。そこを狙いたい」と目を輝かせた。

 大金星には自身のゴールが不可欠と認識する清武は「目標は金メダル」ときっぱりと言い切った。関塚ジャパンの命運が決する大一番。日本中が待ち望んでいるのはエースの一発、そして「グラスゴーの奇跡」だ。

  ☆ベルリンの奇跡 36年8月4日、ベルリン五輪1回戦スウェーデン戦(ベルリン)。初出場の日本は、優勝候補の一角を相手に前半に2失点。しかし後半に川本、右近、松永の得点で大逆転。試合終了後、興奮した観客がピッチになだれ込む騒ぎになった。

 ☆東京の奇跡 64年10月14日、東京五輪1次リーグ第2戦アルゼンチン戦(駒沢)。前半24分に先制され0―1で折り返したが、後半9分に杉山のゴールで同点。同17分に再び勝ち越しを許すも同36、37分に川淵、小城がゴールを決め、逆転勝利を収めた。

 ☆マイアミの奇跡 96年7月22日、アトランタ五輪1次リーグ初戦ブラジル戦(マイアミ)。リバウド、ロナウドら豪華メンバーを擁す相手にシュート数は4―28と完全に劣勢。しかし、川口が好セーブ連発でしのぐと、後半27分に相手のゴール前でのミスにつけこんで伊東の値千金ゴールで1―0で勝利。

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2012年7月26日のニュース