男子個人種目初の快挙！フェルプス、笑顔のＶ３

男子２００メートル個人メドレーで金メダルを獲得したフェルプス（中央）

ロンドン五輪　競泳　男子２００メートル個人メドレー決勝

　ゴールして電光掲示板を見上げた表情は穏やかな笑顔だった。男子２００メートル個人メドレー。フェルプスが今大会３つ目の個人種目の決勝で、ついに金メダルを獲得。競泳男子の個人種目で初の偉業となる五輪３連覇を「これまでの２種目はわずかに及ばなかった。良い気分だよ」と素直に喜んだ。

　チャンスだった。最大のライバル、ロクテは３０分ほど前に２００メートル背泳ぎの決勝を泳いだばかり。序盤からリードし、５０メートル、１００メートルの通過で世界記録ペースを上回った。最後の自由形でロクテの猛追を振り切ると、スタンドで見詰めた母デビーさんが感激の面持ちで歓声を送った。

　足掛け８年で３連覇を果たすのは「怪物」といえど容易ではなかった。１大会史上最多の８冠に輝いた北京五輪後、大麻疑惑を報じられた。練習に行かずにゴルフに興じるなど、モチベーションの低下もあった。

　試練を乗り越え、再び大舞台で頂点に立った男には、２７歳の大人の雰囲気があった。今大会を最後に引退するスーパースターは「あす（３日）が最後の個人種目の決勝だけど、まだ実感は湧かない」と勝負に集中していた。

　◆マイケル・フェルプス（米国＝競泳男子２００メートル個人メドレー）「水の怪物」と呼ばれるスーパースター。アテネ五輪で６個、北京五輪で８個の金メダルを獲得。今大会で２個を加え、五輪通算金メダル１６個。メダル総数２０も史上最多。１メートル９３、８８キロ。２７歳。