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フジカキ、史上初のメダル確定!いけるぞ金!

[ 2012年8月4日 06:00 ]

決勝進出を決め、抱き合って喜ぶた藤井(手前)と垣岩

ロンドン五輪 バドミントン女子ダブルス準決勝

 フジカキが歴史を塗り替えた。2日の女子ダブルス準決勝で世界ランク5位の藤井瑞希(23)、垣岩令佳(23=ともにルネサス)組が同27位のカナダのアレックス・ブルース(22)ミシェル・リ(30)組に2―1で勝利。日本バドミントン界初となるメダルを確定させた。4日の決勝では、金メダルをかけて世界2位の中国ペア・田卿(25)、趙ウン蕾(30)組と対戦する。

 メダルが懸かった緊張感から解放され、フジカキがコート上で見つめ合った。相手のレシーブミスで勝利が決まると2人が笑みを浮かべながら熱い抱擁を交わす。ブルース・リ組という、物凄く強そうな名前のペアを撃破。銀メダル以上を確定させる快挙を成し遂げた。

 カナダ・ペアは無気力試合により4ペアが失格処分を受け、繰り上がりで準決勝に進んだ。過去1度も対戦したことのない謎に満ちた選手で世界ランクでも格下。“勝って当然”という空気が、2人の体から自由を奪う。「自分たちのプレーができない。“どうしよ、どうしよ”って会話してました」(藤井)。第1ゲームはあっさり奪ったが「ブルース!リー!」という大声援に押されて第2ゲームを落とした。しかし迎えた第3ゲームは「思い切りやろう」(藤井)と開き直った。2人は常に笑みを浮かべて緊張をほぐし、最後は5連続得点で押し切った。

 青森山田高では藤井と垣岩は1学年違い。高校時代もペアを組み、「2人でコートにいると、かみ合った」と先輩の藤井は言う。高校卒業後、藤井はルネサス(当時NEC九州)へ。進路を迷っていた垣岩を「一緒に五輪を目指そう」と口説き落とした。垣岩は「その言葉がうれしくて、泣いた」と当時を振り返る。
 
 08年北京五輪は所属の先輩、末綱・前田組の奮闘を現地で観戦し、夢舞台に本気で照準を合わせた。前衛で守備範囲の広い藤井と、後衛でパワフルなスマッシュが武器の垣岩。怒りっぽい性格の先輩に後輩が黙ってついていくことで、抜群のコンビネーションが生まれた。コートの中でも外でも仲良しで今や家族同然の存在だ。藤井は休日に友人と会っていても、その友人を垣岩と間違えて「令佳」と呼んでしまうほど。強い絆で結ばれた2人が、メダルの夢を現実に変えた。

 4日の決勝では、金メダルを懸けて世界2位の中国ペアと対戦する。5日が24歳の誕生日の藤井は、「長いラリーを我慢してできれば、可能性はなくはない。ここまできたら一番高いところを目指したい」と気合十分。垣岩も「楽しく、1本でも多くラリーができるように頑張る」と力を込めた。

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2012年8月4日のニュース