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入江「凄く残念」銀…伏兵クレアリー「見えなかった」

[ 2012年8月4日 06:00 ]

ゴール後、悔しがる入江

ロンドン五輪 競泳男子200メートル背泳ぎ決勝

 入江は電光掲示板をじっと見つめて、動かなかった。名前の横に示された順位は「2」。「最後の50メートルでロクテ選手と競ってて、本当にいい感じで行けてた。1位という文字を見たかったので、凄く残念でした」。前回王者のロクテ(米国)には0秒16差で競り勝ったが、伏兵のクレアリー(米国)に0秒37遅れての銀メダル。100メートル3位で喜びを爆発させたのとは対照的に、悔しさをあらわにした。

 この1年、ロクテだけを意識してきた。昨年の世界選手権で序盤からぶっちぎられて、見せ場もないまま1秒15差の完敗に終わった。第6コースの入江は後半型の殻を破り、前半から先行する第5コースのロクテにしっかりついていった。「落ち着いてスパートをかけた」と狙い通りに得意のラスト50メートルでピッチを上げて最後にロクテを捉えた。だが、第4コースに伏兵が潜んでいた。「調子がいいのは分かっていたが、見えなかった」。ゴール後、クレアリーの歓喜の笑顔が視界に入った。

 ふがいない内容だった昨年は、レース後涙に暮れた。今回は同じ2位でも、勝負にいっての結果。「100%のレースはできた」と胸を張った。自身の日本記録の1分52秒51には及ばないが、高速水着が禁止となった10年以降初めての1分53秒台も出た。メダルが期待されながら5位に終わり、レース後サブプールで倒れ込んだ4年前の弱々しい姿はなかった。

 同一大会で男子背泳ぎ2種目のメダル獲得は日本史上初。次なる目標は金メダル獲得以外にない。「この悔しさを持って、4年後にリオの舞台で強くなった自分を証明したい」。悔し涙を拭った入江は早くも4年後の自分を思い描いていた。

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