杉本　返し技で弱気に…嘆く田辺コーチ「弱い美香が出てしまった」

決勝で敗れ、悔しそうに引き揚げる杉本

ロンドン五輪　柔道女子７８キロ超級

　女子７８キロ超級決勝で１０年の世界選手権２冠の杉本美香（２７＝コマツ）はイダリス・オルティス（キューバ）に延長判定３―０で敗れ、銀メダルに終わった。「うーん、悔しいっすね。あんな負け方をしたら…」と複雑な表情を浮かべた。

　勝負を決定づけたのは試合開始早々の杉本の払い腰。相手の怪力に返されかけて、技が止まった。「最後まで勝ちたい気持ちはあったけど」。終始組み手でペースを握りながら、自分の柔道を貫くことができなかった。

　この日は「杉本が金メダルを獲る日だった」と園田隆二監督。初戦から２試合連続で豪快な一本勝ち。準決勝では地元の大声援に後押しされたブライアント（英国）に何もさせず、指導２で振り切った。世界最強とされたトウ文は敗退。全てのベクトルは杉本を指し示していた。だが、流れは一発で変わった。園田監督は「準決勝の流れなら金を取れたのに。ここで勝たないでいつ勝つんだ」と嘆き、田辺勝担当コーチも「何で（技が）出せないのか。弱い美香が出てしまった」と話していた。