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猛練習が裏目?屈辱「金ゼロ」の裏にあったコミュニケーション不足

[ 2012年8月4日 14:08 ]

まさかの2回戦敗退にぼう然と畳を降りる上川

 ロンドン五輪柔道で、男子は史上初めて金メダルゼロに終わった。5月中旬に代表が出そろって3カ月近く。吉村和郎強化委員長が「ここまで合宿を入れたことはなかった」と振り返るように、男子はほぼ合宿生活を断行してきた。篠原監督は「マイナスには働いていない」と断言したが、代表選手の所属先からは「疲労が抜けず、ケガも治りきらない」との声も聞かれる。

 今大会で「勝つという気持ちが他国に比べて弱いように見えた」(篠原監督)一因は、調整過程にもあったのではないか。突き詰めれば、選手とのコミュニケーション不足を指摘されても仕方がない。

 世界ランク制度がスタートし、国際大会への出場は09年以降、確実に増えた。日本は参加する大会で結果を求められる。必然的に、多くの大会で“手の内”をさらし、対策を立てられる危険性も増している。

 さらに、世界選手権の各階級1カ国2選手の出場制度にも、落とし穴がある。10、11年と好成績を挙げてきたが、日本独特の「勝つ」重圧が2人代表によって軽減されていたのが現実だろう。五輪の畳に上がるのは各階級1人。重圧に対応できず力を出し切れないケースもあった。「最大の目標はどこか」を明確にし、反省と対策を急ぐ必要があると思う。

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2012年8月4日のニュース