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「4年前とは違う」北京で真価見せる

[ 2008年8月7日 06:00 ]

北京五輪を見据える栗原

 自分の決断の責任をとるように、栗原は1年間、浪人生活を送った。Vリーグの規定では前所属の許可がなければ移籍後1年間は出場できない。栗原はその許可をNECに求めなかった。取り残される不安と闘いながら1年間、地道な体づくりと基礎練習に励んだ。

 翌05~06年のVリーグでいきなりMVPを獲得し、パイオニアの優勝に貢献した。左足種子骨(親指付け根裏)骨折の重傷を乗り越え、07年には3年ぶりに日本代表に復帰。今年5月の世界最終予選では7試合でチーム最多の113得点をマークし、日本を2大会連続の五輪出場に導いた。
 13歳で大きな決断を経験し、その後も自分で道を切り開いてきた栗原には今、確固たる信念がある。道は自分で決め、その道を歩む自分には誰よりも厳しい。最近、コート上の栗原の表情から笑顔が消えた。最近は「笑わないエース」と呼ばれる。それは大きな決断を重ねてきた末にたどりついたスタイルだ。
 「自分は4年前とは立場が違う。周りも4年前以上に力をつけている。その中でどういう戦いができるかです」
 北京で納得のいく戦いができた時まで笑顔を見せることはないだろう。

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2008年8月7日のニュース