田中泯 ダンサー&俳優「生涯現役」78歳 「顔を持ちたくない」己を消して変幻自在パフォーマンス
【俺の顔】78歳にして俳優、ダンサーとして活躍する田中泯。「生涯現役」を掲げ、その表現を追求すべく田舎で取り組んでいるのが農業だ。微細な変化を体現するために信条としていることとは――。(西村 綾乃)
タバコ休憩を終えた田中が取材部屋に入ってきた。両手の爪の縁に赤いものがこびりついている。畑仕事で手を酷使し出血した残り血かと思いきや「舞台でかぶった赤い塗料が落ちないんだ」とはにかんだ。鋭い瞳が印象的だが笑った顔はあどけない少年のようだ。
山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」(02年公開)で57歳にして俳優デビューした。渋いイメージが先行するがゲイバーのママから、貧乏神、チベットの高僧に葛飾北斎など、その演技の幅は驚くほど広い。昨年は吉永小百合主演の映画「こんにちは、母さん」、役所広司主演の映画「PERFECT DAYS」と話題作に立て続けに出演した。
役作りではせりふに頼らず、その言葉を口にする人物の肉体を台本を読み込んで想像することから始める。映画「HOKUSAI」では波を描くために求めた塗料を手に入れた浮世絵師の喜びを、土砂降りの雨の中で表現。狂気と紙一重の演技は、見る人の度肝を抜く。
一方で、自身の顔については「関心がない」と言う。「カメラの前に立つ前、鏡で自分の代表的な顔を作っている役者は多いけれど、僕はそうじゃない。田中泯と言えばこの顔というものを持ちたくもないんです」と語気を強めた。
ダンサーとして先に名をはせた。幼少期に出合った盆踊りに魅了され、10代の時にクラシックバレエを始めた。当時、踊っている時に「一番いい顔でいろ」と教えられたというが「迷いました」と苦笑して振り返る。「踊りの中でも顔は重要ではなく、体の一部でしかない。表情で訴えることはない」と考えているからだ。
それを表すように、髪の毛や眉毛など全ての体毛をそり陰部を包帯で隠して踊る独自の「ハイパーダンス」を74年から展開。表情だけでなく「人間としての特徴を消したかった」。究極のパフォーマンスだった。
40歳で山梨に移住。自給自足生活を送る。「農業を始めたのは自然の変化に敏感になるため」と説明する。微細な動きで、役の心情の変化を伝える。同じように、草木や畑に目をやり、日々の違いを感じ取っている。
「変化がないように見えても、昨日と同じということは一つもない。日の長さ、土の感触。その始まりを細胞レベルで感じたい」
それは東京で数日公演がある時も変わらない。公演が終われば、山梨にとんぼ返りし、目を配るのだという。
そんな田中が、親交があった坂本龍一さん(享年71)が書き下ろした曲を主軸にした舞台「TIME」(3月28日、新国立劇場で開幕)に臨む。言葉以前のものを踊りで追求する意欲作で「映画のように寄りの映像はありません。全身の細胞に働きかけて生まれる、気の変化を感じてもらうためにも、なるべく近くで見てほしい」と呼びかけた。
来年には80代の新ステージを迎える。
「80歳という時が本当に来るか分からない。でも死にたくないと思う気持ちがあるから、観念的かもしれないけれど、明日を信じて生きたい」
出演作では、いぶし銀の輝きを放つが「頭の中は常にぐちゃぐちゃ。無とは真逆」と明かす。変化を続ける田中の顔に注目したい。
≪命日3月28日開幕「TIME」≫出演する舞台「TIME」は新国立劇場で4月14日まで行われ、同27、28日にロームシアター京都でも上演される。7歳年下の坂本さんとは07年に初めて会った時、人類の現在地や核問題など「夕方から、明け方まで語り合った」と意気投合。それ以来の親交があり、今作も坂本さん直々に「人類を表現してほしい」と依頼されたという。今作は輪廻(りんね)転生を思わせる内容。続く未来が明るいものであるよう願っている。開幕する3月28日は坂本さんの命日で、田中は「いつもそばにいる感覚があるんだけど、この日はきっと会場にも来てくれるんじゃないかな」と楽しみにしている。
◇田中 泯(たなか・みん)1945年(昭20)3月10日生まれ、東京都出身の78歳。10代の時に西洋ダンスを学び、78年に海外進出。90年にフランス政府から芸術文化騎士章を贈られた。俳優デビューした「たそがれ清兵衛」では日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞と新人俳優賞を受賞。07年のNHK「ハゲタカ」でテレビドラマに初出演した。
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