小倉智昭氏「腎盂がん」で昨年12月左腎臓全摘 16年膀胱がん、21年肺に転移から3年…再び 

[ 2024年2月18日 04:00 ]

自宅のホームシアターで笑顔を見せる小倉智昭氏(撮影・村上 大輔)
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 キャスターの小倉智昭氏(76)が本紙インタビューに応じ、昨年、腎盂(じんう)がんと診断され、左の腎臓の全摘手術を受けたことを明かした。2016年に膀胱(ぼうこう)がんを公表し、18年に膀胱を全摘。21年に肺転移が見つかっていた。闘病体験を語り続け、大きな反響を呼んできた小倉氏。「伝える仕事をしている人間だから」と語り、今回も包み隠すことなく明かした。(小枝 功一)

 今回異変があったのは昨年10月。定期検査で尿検査を受けようとしたところ大量出血した。詳しく調べると、コンピューター断層撮影(CT)で左の腎臓に影が見つかり、左腎盂がんの可能性があると診断された。

 腎盂がんは確定診断が難しく、小倉氏の場合も例外ではなかった。「多分、腎盂がんだろうという状況。全摘したら残った右の腎臓に負担がかかって腎臓機能の数値が悪化する可能性がある。その場合は人工透析になるけど、先生に任せようと覚悟を決めた」。昨年12月1日に摘出手術を受けた。

 術後の検査で、奥の筋肉まで及ぶ浸潤がんであることが判明。医師からは「がんの広がりから見て肺と同じ時期になったものだろう」と告げられた。浸潤がんは周囲に広がりやすく、今後は、がんと闘う免疫の力を取り戻す抗がん剤「キイトルーダ」を投与する。肺がん治療の際に使い、画像検査で肺の影がほとんど消えるなど、劇的な効果があったことから再投与を決めた。

 一難去ってまた一難。「でも深刻には捉えていない。準備しないまま亡くなるより、今後の人生設計が立てられると良いように考えている」。前向きに語るが、闘病生活は過酷だ。22年秋にはキイトルーダの副作用に悩まされた。腎臓機能の数値が悪化し体が動かなくなって緊急入院。「かみさんは先生から“もう危ない”と宣告された」と振り返る。

 今回のがん発覚は「小倉ベース」と呼ばれる仕事部屋を引き払い、そこにあったコレクションやオーディオ設備などを移すため、自宅の改装を始めた直後のタイミングだった。「改装中の入院だった。“がんが分かっていれば改装なんてしなかった。申し訳ないね”とかみさんに謝ったら“がんと分かっていてもやりましたよ。あなたが好きな物と暮らせればそれでいい”と言ってくれた。かみさんは母親の介護中で大変だったと思う。本当に迷惑をかけた」。夫人への感謝はつきない。

 これまで自身の闘病体験を包み隠さず明かすことで、大きな反響を呼んできた。膀胱の全摘後、尿もれパッドを使うようになり「パッドの捨て場所として男性トイレにもサニタリーボックス(小さなゴミ箱)を」と訴えた。「最近は外出先のトイレでサニタリーボックスを目にすることが増えた。2人に1人ががんになる時代。少しは世の役に立っているのかな」。22日にはニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」などに出演する。どんなメッセージを発信するのか、注目される。

 ◇小倉 智昭(おぐら・ともあき)1947年(昭22)5月25日生まれ、秋田県出身の76歳。独協大卒業後、70年に東京12チャンネル(現テレビ東京)入社。故大橋巨泉さんの勧めで76年にフリー転身。99年4月から21年3月までフジテレビ「情報プレゼンター とくダネ!」の総合司会を担当。今月17日に、古市憲寿氏が聞き手となり、小倉氏が生い立ちから仕事観、人生論までを語った「本音」(新潮社)が刊行された。

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