山田太一さん死去 高橋ひとみ「ふぞろい…」役どころ秘話明かし追悼「越えることのできない大切な作品」

[ 2023年12月1日 21:37 ]

高橋ひとみ
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 「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」など多数の名作ドラマで知られる脚本家の山田太一(やまだ・たいち、本名・石坂太一=いしざか・たいち)さんが11月29日、老衰のため死去した。89歳。東京都出身。

 「ふぞろいの林檎たち」に出演した俳優の高橋ひとみは1日、自身のインスタグラムを更新し山田さんを追悼した。

 高橋は山田さんの著書「ふざろいの林檎たちⅣ」の単行本の表紙写真をアップし「『ふぞろいの林檎たち』は私のドラマのデビュー作でありいまだに越えることのできない大切な作品です。寺山修司さんがお亡くなりになる前に直接山田太一さんにお願いして伊吹夏恵という役を作っていただきました」と当時の秘話を明かした。続けて「寺山さんに“この役は素晴らしいからこれで女優としてやっていけなければ辞めなさい”と言われたことをいまも思い出します。今こうしてお仕事を続けさせていただけるのも山田太一先生のおかげです」と自身の俳優人生における、山田さんの存在の大きさをつづった。

 そして「初めていただいた年賀状に“ご自分を大切に”と書かれていました。常にこの言葉が私の中にあります。寺山さんと久しぶりにお会いしておしゃべりしていらっしゃるのでしょうか。山田太一先生本当にありがとうございました。心からご冥福をお祈りいたします」と思い出を振り返りながら山田さんの旅立ちを悼んだ。

 1983年にスタートしたTBSドラマ「ふぞろいの林檎たち」は97年放送のパート4までシリーズ化。4流大学に通う3人の男子学生が不安、劣等感を抱えながら自身の生き方を見つめ、前に進んでいく群像劇で、中井貴一、時任三郎、柳沢慎吾、手塚理美、石原真理子らの新鮮なキャスティングと主題歌だったサザンオールスターズの「いとしのエリー」が当時の視聴者の心をつかんだ。高橋は「伊吹(本田)夏恵」役で出演、学生時代に中井演じる仲手川良雄が偶然立ち寄った風俗店で働く才色兼備だが、時折大胆な行動に出る女性を演じた。

 「ふぞろい…」の出演者では、中井が1日にブログを更新し「今から42年前。その頃、既に大巨匠脚本家だった山田太一さんでしたから、さぞかし怖い方なのだろうと、かなり緊張しておりましたが、実際は、物腰柔らかで、とてもジェントリーにお話をして下さいました。出演が決まり、初日の本読み、顔合わせの時も、物腰柔らか。しかし、本読み終了時、『私の台本は、語尾の一つまで考えて書いておりますので、一字一句変えない様に芝居をして下さい』と、ピシャリ。物腰とは裏腹に、実に辛辣にお話をされる方でも有りました」と思い出を振り返った。

 また、手塚は所属事務所を通じ「この度の山田太一さん訃報に際し、心を痛めておりまして、今はコメントを控えさせて頂けましたらと思います」とショックの大きさをうかがわせた。

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