「どうする家康」大河異例 テーマ曲も“変更”OPタイトルバック新装は一夜限りのSP版 ネット驚き続々

[ 2023年11月19日 20:45 ]

大河ドラマ「どうする家康」第44話。オープニングのタイトルバック映像が一夜限りのスペシャル仕様に!テーマ曲もピアノのみに変更(C)NHK
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 嵐の松本潤(40)が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)は19日、第44話「徳川幕府誕生」が放送され、オープニングのタイトルバック映像(タイトルの題字や出演者・スタッフのクレジット)が一夜限りのスペシャル仕様となった。今作4バージョン目となる映像のみならず、テーマ曲も通常のオーケストラ編成からピアノのみに演奏スタイルが変更される大河異例の試み。事前告知なしのサプライズ新装に、SNS上にも驚きの声などが上がった。今作の音楽を担当しているピアニスト・作曲家の稲本響氏、タイトルバックデザインを担当した映像工芸作家の菱川勢一氏らが制作の舞台裏を明かした。

 SNS上には「まさかの新タイトルバック」「驚愕!多重録音によるフルピアノver.!制作過程と連携と熱意に脱帽」「カラフルなタイトルバックも水墨画調に。どことなくアンティークな、懐古な雰囲気は、これまで長い道のりを共にした人々への追憶を表しているのだろうか」などと好評の声が相次いだ。

 ▼音楽・稲本響氏(ピアニスト・作曲家)

 本日オンエアされました大河ドラマ「どうする家康」第44回のオープニングテーマ曲ですが、これまでのピアノコンチェルトスタイルではなく、ピアノだけですべてのパートを演奏しているスペシャル版となります。

 これまで多くの方々が「どうする家康」のメーンテーマ曲をブラスバンドやリコーダーなど様々な編成で素晴らしい演奏をしてくださり、SNSなどにも投稿してもらえていることが本当にうれしくて、たくさんの刺激を頂きました。何か作曲者本人にもできることがないかとずっと考えていました。

 その結果、ピアニストである僕自身が、NHK交響楽団の皆さんとともに作り上げたサウンドをイメージしながら、オーケストラパートも含めたすべてのパートを1人で多重録音で演奏するというアイデアを形にしました。

 「どうする家康」では、家康公が年齢を重ねるとともに演奏するピアノの年代も古くし、4台のニューヨーク・スタインウェイをNHKのスタジオに持ち運んでレコーディングを行っています。その4台すべてを弾き分け、逆再生やピアノミュート(特許第4572092号)も使って数百にも及ぶフレーズを重ねて楽曲を完成させました。クラップ(手拍子)の音もピアノです。

 これまでもタイトルバックの菱川勢一さんは音楽の余韻にまで神経を張り巡らせて映像を作ってくださっていました。そんな菱川さんも驚かせたいと思って4台ピアノVer.を録音したのに、それを知った菱川さんからまた新たな映像が上がってきて、楽しいイタチごっこです。

 この1年、毎週この楽曲を聴き続けてくださっている視聴者の皆さん、本当にありがとうございます。一夜限りの遊び心をお楽しみいただけたなら、こんな幸せなことはありません。

 ▼タイトルバックデザイン・菱川勢一氏(映像工芸作家)

 関ヶ原の戦いを経て、徳川幕府へ。オーケストラ編成のオープニング曲を第44回のために4台のピアノを使用して表現した稲本響さんの特別曲を聴いたのは突然のことでした。「ミックスを終えました」との知らせを受けて、演出統括の加藤拓さん、スタッフの方々とともに稲本さんのもとを訪ねました。曲を聴いた帰路で、創作意欲に駆り立てられました。まるで円相を描くように一筆の表現に取り組みました。葛藤を乗り越えながら太平の世を目指した家康の胸中を、幾重の山が静かに代弁するようにタイトルバックとして表現できたらと。

 数々の別れや、出会い、裏切りと忠誠の中から戦のない未来を見続けた家康の生き様。新たな春を迎えて舞う桜。見守る富士の山。戦のない史上最長とされた1つの時代の江戸時代。今の私たちもまた「どうする?」と問われながら生きている中で、その幕開けに至るまでの物語の背景から何を気づかされたのでしょうか。その意味はきっとこのドラマの先に見つかるのでしょう。

 ドラマとして現代に残そうと長い年月をかけて制作に勤しんだスタッフの皆さま、音楽の稲本響さん、応援してくださった視聴者の皆さま、できる限り純粋創作ができるように環境を整えてくれた会社のスタッフたち、叱咤激励をしてくれた家族、関わったすべての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。約2年間、素晴らしい創作の機会をありがとうございました。これから先、自分も何かに迷ったら見返そうと思います。

 ▼演出統括・加藤拓監督

 第44回のメーンテーマはテーマ音楽もタイトルバック映像もスペシャルバージョンでした。見果てぬ夢を追うかのような、長い長い旅を行くかのような、眼下に連なるいくつもの山を越えて飛ぶ視点。第3弾タイトルバック映像を完成させた菱川さんが「テーマ音楽のフルピアノバージョンとか作んないの?」と突然聞いてきました。

 菱川さんと稲本さんはNHKドラマ「ストレンジャー~上海の芥川龍之介~」でもコラボしているので、稲本さんのピアノの素晴らしさをよく知っています。「フルピアノバージョンができたら新しくタイトルバック作るの?」と尋ねると笑って答えませんでしたが、実はほぼ同時に稲本さんから「テーマ音楽のフルピアノバージョンを作りたい」と連絡があったのです。ピアニストである稲本さんが「フルピアノバージョンを作る」とは「自ら演奏する」ということで、それはそれは楽しみでした。

 NHKスタジオに4台のグランドピアノを運び込み、すべてのパートを独りで弾き続け…完成したのがこのスペシャルバージョンのテーマ音楽です。菱川さんに「本当にできたよ」と連絡し、4台ピアノVer.を聞いた菱川さんはアトリエにこもり、音楽に応えるようにタイトルバック・スペシャルエディションを描き出しました。関ヶ原の決戦を終え、束の間、家康の夢を見るかのような音楽と映像は、2人の密度の濃いコラボレーションによって生まれました。

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