團十郎 芸能界揺れた1年“総括”「既存のものと世の中との時差が、目に見えて動いた」 初春公演取材会

[ 2023年11月19日 05:30 ]

取材会に臨む(左から)市川新之助、市川團十郎、市川ぼたん(撮影・島崎忠彦)
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 歌舞伎俳優の市川團十郎(45)が18日、都内で初春歌舞伎公演「平家女護嶋―恩愛麻絲央源平―」(東京・新橋演舞場、来年1月6~25日)の取材会に、長女の市川ぼたん(12)、長男の市川新之助(10)と出席した。

 前日17日に、両親に対する自殺ほう助の罪に問われた市川猿之助被告(47)が懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡された。今年1年、大きく揺れた歌舞伎界の総括を問われた團十郎は悩みながら「歌舞伎界に限らず、既存のものと世の中との時差が、目に見えて動いた」と指摘。歌舞伎界だけでなく、性加害問題に揺れた旧ジャニーズ事務所、劇団員が急死した問題の渦中にある宝塚歌劇団など、長い歴史がある組織で相次いで問題が明るみに出た1年を独特の表現で振り返った。その上で「時代の流れの中で価値観をしっかり問われる時代にさしかかっている」との認識を示した。

 そんな中で自身は伝統芸能に身を置く立場。「自分には歌舞伎をやり続ける義務がある。毎年、正月は新橋演舞場に出てきているので、来年も以前と変わらずお客さんに演劇を楽しんでほしい」と抱負を述べた。

 今回の公演は古典の名作を新解釈した作品で、源平合戦を舞台に親子の絆を描く。副題は「恩愛麻絲央源平(おやこのきずななかもげんぺい)」で2017年に死別した小林麻央さんの「麻」「央」の2文字がある。作中でぼたんの父役と新之助の母役を演じ分ける團十郎は「副題に妻の名前を入れました。あくまで源氏と平家の親子の物語ですが、ご覧になった方の中には堀越家の物語として見る人もいるかもしれません」と語った。

 会見で新之助は「本来はお父さんだけど、(團十郎が母になるのは)違和感がありますね」と笑顔。ぼたんは「古典に出演する貴重な経験を大事にしたい」と意気込んだ。これまで2人は報道陣の前に出ると緊張感をのぞかせる時もあったが、この日は矢継ぎ早の質問にハキハキと返答。團十郎はそんな2人の成長を父のまなざしで見つめていた。

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