藤井聡太8冠制覇 独占!タモリ祝福手記 目標「面白い将棋」は「何事にもあてはまる人生の境地」

[ 2023年10月13日 04:40 ]

17年、終始大爆笑の対談で意気投合した藤井8冠(左)とタモリ
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 藤井聡太王将(21)の歴史的快挙に、藤井が「最も尊敬する芸能人」と公言するタモリ(78)が本紙に独占手記を寄稿した。6年前にスポニチ紙面で対談して以来ずっと見守ってきただけに「前人未到の“道なき道”を切り開いていく信条は、今も変わらずあの時の“一手一手”なのだと思う」と、強さの要因に勝ち負けを超えた境地があると指摘。感想戦で永瀬前王座と楽しそうに2人笑顔で振り返る姿こそ「人生の境地」と称えた。

 藤井君、全冠制覇となる史上初の8冠、おめでとうございます!前回の対局に続く、終盤の逆転劇は将棋ファンならずともしびれるものがありました。

 初めてお会いしたのは今から6年前の2017年の暮れ。スポニチの正月版企画でした。藤井君が史上最年少でプロ入りし、そのまま無敗で公式戦最多連勝記録を樹立した時で、まだ中学生でした。実際に対局もして私の反則負けでしたが、藤井君相手に反則負けした人はその後もいないかと(笑い)。でもその時に将棋の山崩しでも対戦し、藤井君が失敗しそうになると大声で叫んで、駒の崩れる音をかき消す“荒技”を繰り出していました(笑い)。1勝1敗のいい思い出です。

 そんな藤井君が前人未到の8冠を達成した際、この先にどんな目標が?と聞かれて「面白い将棋を指すのが一番の目標」と答えた姿は印象的でした。というのも藤井君は対談した時、連勝記録中に負ける恐怖は?の質問に「むしろ感じなかったです。一手一手の積み重ねの結果として勝ち負けが表れるので」と答えていたんです。

 まだ21歳。前人未到の8冠制覇すら通過点。その“道なき道”を切り開いていく信条は、きっと今も目の前の「一手一手」なのでしょう。だからこそ、どんな苦境からも逆転できる。感想戦で悔しいはずの永瀬さんが藤井君と笑顔で楽しそうに盤上を振り返っている様子は、まさに勝ち負けを超えた境地にある“将棋の頂”を垣間見た思いです。

 目標は面白い将棋。これは何事にもあてはまる人生の境地ですよ。いやあ、20歳を過ぎてお酒も飲めるようになった藤井君と祝杯して久しぶりに語り合いたいですね。8冠制覇、本当におめでとう!


 ≪対談時に平手で本将棋指す タモリ反則負け≫ 藤井とタモリは2018年1月1日付の本紙で対談し、その際、2人は平手で本将棋を指している。

 2人の初対局はタモリの先手で始まり(1)[先]5六歩(2)[後]8四歩(3)[先]7六歩(4)[後]8五歩(5)[先]7七角(6)[後]3四歩(7)[先]7八銀(8)[後]3二金(9)[先]2六歩(10)[後]4二王(11)[先]6八金(12)[後]6二銀(13)[先]3八銀(14)[後]7四歩(15)[先]2五歩(16)[後]7三銀(17)[先]9五角(18)[後]9九角成(19)[先]6一角成と進行。タモリがこの19手目で駒が進む筋を間違えて反則負けを喫した。

 終局後「俺、少し乱視だから」と大爆笑するタモリに、藤井も笑顔で応じながら「でもしっかり指されてました。才能があります」と気遣いを見せた。

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