広瀬八段、完勝発進!“前期挑戦者”復調、佐藤天九段を寄せ付けず 王将戦挑戦者決定L

[ 2020年9月25日 05:30 ]

対局を振り返る広瀬章人八段(右)。手前は佐藤天彦九段(撮影・我満 晴朗)
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 将棋の第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負で渡辺明王将(36)の対戦相手を決める挑戦者決定リーグは24日、東京都渋谷区の将棋会館で佐藤天彦九段(32)―広瀬章人八段(33)戦の一局を行い、広瀬が101手で勝利した。25日は同所で豊島将之竜王(30)=叡王との2冠=―木村一基九段(47)戦が行われる。

 前期挑戦者の広瀬が快調なスタートを切った。3期連続名人位の実績がある佐藤に序盤から終始リードを奪っての快勝譜。ところが本人は「もっといい指し方があったかも、と対局中後悔してたんです」と意外な心中を告白したのだから将棋は分からない。

 先手番でオーソドックスな矢倉戦法を志向。早囲みのにおいをちらつかせるなど細かいジャブを入れながらポイントを重ねていく。47手目[先]7五歩と、佐藤の右桂をいじめにいき、57手目の[先]5五歩で早くも決着をつけに出た。自信に満ちあふれた切り札かに見えたが「実は選択肢がいろいろあって」ともだえていたという。考慮時間33分はその表れでもあった。

 結果的には駒得の主張が最後まで通り、佐藤からは効果的な反撃を受けないまま終了。だが局後の検討では桂を詰ませた51手目[先]8六歩の代わりに[先]7四歩と敵陣に迫った方が勝ちに近いと判明した。「本譜は自陣にキズをつくらないように指したので…」。勝者が反省する感想戦も珍しい。一方、佐藤は「序盤から主導権を握られ、終始厳しい状態。常に足りない将棋でした」と、すっきり過ぎる完敗宣言だ。

 広瀬は前期の7番勝負は渡辺王将に初挑戦し、第5局で3勝2敗と王手をかけながらフルセットで敗れた。この間、年度またぎで7連敗を喫するなど絶不調に陥り、8月のJT杯ではまさかの頓死で「落ちるところまで落ちましたね」と自虐ネタまで披露したことがある。スランプから脱するきっかけを探るのが今回の挑決リーグのテーマだ。

 「(7人と)人数の少ないリーグで初戦の白星は大きい。引き続き頑張っていきたいですね」

 前期挑決リーグでは最終局で藤井聡太・現2冠を破り意地を見せた広瀬。2期連続挑戦へ、幸先のよい始動だった。(我満 晴朗)

 ▽王将戦の挑戦者決定リーグ 例年9~11月に実施。シードされた前期リーグ上位4人(順位1~4位)と、予選を勝ち上がった3人(同5位)で争う。リーグ戦で同率首位が複数出た場合は原則として順位上位2人による1局だけのプレーオフが行われ、挑戦者を決める。

 ▽王将戦 王将と挑決リーグ優勝者が例年1月から3月にかけて7番勝負で激突。持ち時間は8時間。タイトル戦では名人戦に次いで歴史が長く1951年から始まった。番勝負の各局で勝者が会場のご当地色をヒントにした仮装で記念撮影するのが恒例。ユニークな構図から棋士やファンの間で「勝者の罰ゲーム」と称されている。

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