「ウルトラマンZ」 キャッシュレス時代のカネゴン

[ 2020年9月18日 11:45 ]

19日放送のテレビ東京系「ウルトラマンZ」にカネゴン登場(C)円谷プロ(C)ウルトラマンZ製作委員会・テレビ東京
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 【牧 元一の孤人焦点】19日に放送されるテレビ東京系の特撮ドラマ「ウルトラマンZ」(土曜前9・00)に怪獣カネゴンが登場する。

 これまで「ウルトラマン」(1966年~67年)のゴモラやレッドキング、「ウルトラセブン」(67年~68年)のキングジョーなど懐かしい怪獣・ロボットが登場したが、ついに「ウルトラQ」(66年)の屈指の人気キャラクターが姿を見せる。

 66年4月に放送された「カネゴンの繭」はウルトラQ全話の中で異彩を放っていた。ドラマの主要人物であるパイロット・万城目淳(佐原健二)、パイロット助手・戸川一平(西條康彦)、新聞社カメラマン・江戸川由利子(桜井浩子)が出てこない。

 主人公は「今の世の中、親よりお金の方が大事」と主張する少年。ある日、工事現場で繭を見つけ、振ってみると金の音が聞こえる。自宅に持ち帰ると繭は大きく成長。金を抜き取ろうと手を突っ込むと逆に中に引き込まれてしまう。翌朝、目覚めるとカネゴンに変身していたという物語だ。

 ウルトラQは本来、シリアスタッチのドラマだが、この回はホームドラマ風でコメディータッチ。カネゴンは金を食べないと飢え死にする怪獣で、胸にアナログ式のメーターがついていて空腹が進むにつれて数字が減り、食べれば増える。仲間の子供たちが対処に困り、神頼みのために祈とう師を訪ねたり、サーカスに売ろうと考えたりする展開が笑いを誘う。つまり、カネゴンはウルトラマンのようなヒーローが戦う強い怪獣ではない。

 脚本は初期ウルトラシリーズ主要脚本家の山田正弘さんで、監督は中川晴之助さん。カネゴンのエピソードは、当時の風潮だった「拝金主義」への風刺だったとされる。

 66年はザ・ビートルズが来日した年で、美空ひばりさんの「悲しい酒」がヒット。テレビでは「笑点」、漫画では「巨人の星」連載がスタートした。当時の首相は佐藤栄作さん。政界の黒い霧事件などで国民の政治不信が高まった年でもあった。

 あれから54年。拝金主義は続いていると言えなくもないが、社会の状況は大きく変わった。現在はキャッシュレス化が進む時代。「カネゴンの繭」には金庫から道路に散らばった金をカネゴンが食べる場面があるが、いま見ると隔世の感がある。

 さて、ウルトラマンZはどんな展開になるのか。予告には「カネゴンはおなかをすかし、あろうことかハルキ(主人公)のウルトラメダルを食べてしまった。どうにかして取り戻さなければ」と内容の一部が記されている。2020年のカネゴンを楽しみたい。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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