竹内由恵 自由奔放な輝き

[ 2020年8月4日 12:00 ]

ニッポン放送のスタジオで特番「竹内由恵 WITH!」のパーソナリティーを務める竹内由恵
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 【牧 元一の孤人焦点】今や「アナウンサー」の肩書では言い表せない。昨年末にテレビ朝日を退社してフリーになった竹内由恵が多彩な活動を見せている。

 まずはラジオ。7月9日と30日にニッポン放送の特番「竹内由恵 WITH!」で初めてパーソナリティーを務めた。

 プロデューサーの長濵純氏は「お会いして打ち合わせを重ねる度に、竹内さんは、『人』や『心』にまっすぐに寄り添ってきた人なんだと感じていた。そのことを初ラジオの『WITH!』という番組タイトルにも込めた」と語る。

 番組では、局アナ時代にはほとんど機会がなかったプライベートトークを展開する声が楽しげ。長濵氏は「ノートいっぱいに書き込みながら、頭と心を整理して、自分の言葉に乗せて思いをアウトプットしている。初めてのラジオとは思えないほど落ち着いて対応する姿に好感を持っている。今後、ラジオパーソナリティーとして期待の存在」と話す。

 竹内も「2回目の放送は少しリラックスして臨むことができました。リスナーの方のメッセージをたくさん紹介することができ、さらに電話までつなげて、ラジオならではの時間を過ごせてうれしかった」と充実感いっぱいの様子。「WITH!」は特番だが、同局「竹内由恵 人生のメソッド」(土曜後1・50)のレギュラー出演が続く。

 そして、演技の仕事。7月27日放送のフジテレビのバラエティー番組「痛快TV スカッとジャパン」のミニドラマで、元TBSアナウンサーの小林麻耶と共演した。

 顧客に商品を売るテレホンアポインターの役で、ひたむきに仕事に取り組む姿とアナウンサーらしい正確な話し方が印象的。司会のウッチャンナンチャン・内村光良から「役に合ってましたよね。損害保険のCMが来そうな感じ」と評価された。

 竹内は「ここまで本格的にセリフのある役は初めてだったので、新しい挑戦で楽しかったです。新鮮だったのか、周りから結構反響がありました。今後もお話があれば、新しいことには積極的にチャレンジしていきたいです」と前向きだ。

 さらには、「漫画日記」の執筆。自身のインスタグラムに随時、イラストと文章で身辺雑感を記しており、ほのぼのとした作風が読者の好感を得ている。

 竹内は「自分の生活の中でふと思い浮かんだことを描いているので、無理なく、のんびり続けていけたらいいと思っています」と語る。

 多様な活動の中で最も魅力が発揮されていると感じるのは、「WITH!」で自らコーヒーを入れるコーナーだ。趣味のコーヒー作りを番組に生かしているのだが、そもそもラジオではコーヒーを入れている姿が見えない。客観的には隔靴掻痒の企画なのだが、それをミニコントや雑談などで押し切ってしまう唯我独尊の力業が、聞いていて楽しい。

 竹内由恵は自由奔放な一面が魅力の人なのだと思う。何事にも揺らがない芯の強さも感じる。その輝きは今後さらに増していくだろう。

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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2020年8月4日のニュース