「麒麟がくる」“ボンバーマン”松永久秀熱演の吉田鋼太郎「派手に爆死したい」妻から「今回は良い芝居」

[ 2020年2月22日 13:50 ]

大河ドラマ「麒麟がくる」で松永久秀を熱演し、存在感を発揮している吉田鋼太郎(C)NHK
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 俳優の吉田鋼太郎(61)がNHK大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜後8・00)にレギュラー出演。戦国武将・松永久秀を熱演し、絶大な存在感を発揮している。これまでの5話のうち、2話しか登場していないが、目下、SNS人気1、2を争う反響の高さ。その理由は、茶器とともに爆死したと言われる久秀の最期と、吉田の演技による人間味あふれる久秀像。「吉田が演じる松永久秀なら…」と戦国ファンがド派手な爆死を期待しているが、吉田も「もしそのシーンがあったら、是非、派手に爆死したいと思います。僕自身も楽しみにしています」と高らかに“爆死宣言”した。名作ゲームになぞらえ、インターネット上で“戦国のボンバーマン”と呼ばれる松永久秀役に意気込んでいる。また、16年に結婚した妻から「鋼太郎さんのお芝居は良い時と悪い時があって、私はそれをよく分かっているけど、今回は良い時なので、自信を持ってやって」と褒め言葉をもらったことも明かした。

 俳優の長谷川博己(42)が主演を務める大河ドラマ59作目。第29作「太平記」(1991年)を手掛けた名手・池端俊策氏(74)のオリジナル脚本で、智将・明智光秀を大河初の主役に据え、その謎めいた半生にスポットを当てる。物語は1540年代、まだ多くの英傑たちが「英傑以前」だった時代から始まり、それぞれの誕生を丹念に描く。

 吉田が演じる松永久秀は、主に畿内を中心に勢力を広める戦国武将。軍事政治両面において力を発揮し、したたかで荒々しい生き方が若き光秀に大きな影響を与える。美濃の斎藤道三(本木雅弘)らと並ぶ「戦国三大梟雄(きょうゆう)」の1人。将軍・足利義輝(向井理)暗殺や織田信長(染谷将太)への2度の反旗など、その非道さで知られる。

 初回(1月19日)。鉄砲を探る旅に出た光秀は堺を訪れると、ひょんなことから三好長慶(山路和弘)の家臣・松永久秀(吉田)に気に入られる。久秀が光秀を食事に誘うと、鉄砲を買うため大金を持つ光秀は酔いつぶれてしまう。翌朝、金を盗まれたと思った光秀だが、枕元には2~3カ月はかかると言われた鉄砲が置いてあった。

 ネット上には「松永久秀、サンタクロースかよw」「サンタさん(松永久秀)からプレゼント(鉄砲)をもらった子ども(光秀)の図」「クリスマスに停戦した松永久秀がサンタさんみたいなことをしている」などの書き込みが相次ぎ“松永久秀サンタ説”が浮上。放送終了1時間後、「松永久秀」がYahoo!リアルタイム検索2位、ツイッターのトレンド入りも果たした。

 第5話(2月16日)は初回以来の登場。「弓矢や槍なら、かわせる。だが、鉄砲の弾はかわせない。銃口を向けるだけで、相手の動きを封じることができる。弾が当たるかどうかではない。鉄砲の怖さをお互いが知っていれば、気楽に攻め込むことはできん。戦の有り様は変わるぞ。わしならば、戦う前にこう考える。敵は鉄砲を何丁持っている。こちらの3倍持っているのか。ならば、戦はやめておこう。戦は減るぞ」と光秀に鉄砲の真の力説いた。

 吉田は番組公式ツイッターに「鉄砲は人を殺すだけの道具ではなく、それがあることで戦の抑止力にもなる。だって、鉄砲を自分たちよりたくさん持っている相手とは戦いたくないから。現代にも通用するこのような考え方を、戦国の世に生きる久秀に言わせた池端先生の着眼点はすごい!」とコメント。Yahoo!リアルタイム検索3位など、再びSNS上の話題となった。

 舞台出身の吉田は、主にシェイクスピア作品を上演する「劇団AUN」(97年旗揚げ)も主宰。名演出家・蜷川幸雄氏が手掛けたシェイクスピア作品やギリシア悲劇の常連となり、日本の演劇界を支えてきた。16年10月には蜷川氏の後を継ぎ、シェークスピア全37作を上演する企画「彩の国シェイクスピア・シリーズ」(さいたま芸術劇場)の2代目芸術監督に就任した。

 芸達者が揃う「麒麟がくる」にあって、その声量や滑舌、表現力は群を抜く。豪快で女好き、愛すべき久秀像を作り上げ、視聴者を魅了してやまない。

 信長に謀反を起こした久秀は天正5年(1577年)、大和・信貴山城に籠城。茶人としても知られたが、最期は名器・平蜘蛛の茶釜に火薬を詰め、日本初の爆死を遂げたとされる。初回登場時からネット上には「戦国のボンバーマンこと松永久秀役の吉田鋼太郎が、いつ爆死するのかだけで1年間ワクワクが止まらない」などの声が続出。その最期に早くも注目が集まっている。

 吉田自身も、その期待を認識済み。「戦国時代ファンの方々の期待を上回れるよう、精いっぱい松永久秀を演じたいと思っています。おそらく皆さんが期待しているであろう“爆死”――今、『ボンバーマン』って言われているんですよね!?時代なんでしょうね、松永久秀が『ボンバーマン』と言われるなんて(笑)。久秀の爆死のシーンがあるのか、ないのか、まだ台本がありませんので、僕自身も分かりませんが、もしそのシーンがあったら、是非、派手に爆死したいと思います。僕自身も楽しみにしています」と予告。「松永久秀は、これからまだまだ出てきます。皆さん、一緒に『麒麟がくる』を楽しみましょう!」と呼び掛けた。

 吉田の大河ドラマ出演は98年「徳川慶喜」(近江屋作兵衛役)、07年「風林火山」(津田監物役)、16年「真田丸」(織田信長役)に続き、4年ぶり4作目だが「大河ドラマに長期にわたって出演させていただくのは、今回が初めてです。大河ドラマは子どもの頃から大ファンだったので、そこに出演できるのはとてもうれしいことですし、光栄なことだと思っています」と喜んだ。

 周囲の反響を問われると、16年元日に結婚した「うちの家内から『鋼太郎さんのお芝居は良い時と悪い時があって、私はそれをよく分かっているけど、今回は良い時なので、自信を持ってやって』と言われました」と笑って夫婦仲の良さも明かした。

 23日放送の第6話は「三好長慶襲撃計画」。将軍・足利義輝(向井)も列席する連歌会で、時の権力者・細川晴元(国広富之)が三好長慶(山路)と松永久秀(吉田)を暗殺しようと計画していることを光秀(長谷川)は知る。京の町の安寧が崩れることを恐れ、光秀は館に潜入。三淵藤英(谷原章介)と細川藤孝(眞島秀和)らと協力し、松永らを救う。しかし、光秀は負傷。望月東庵(堺正章)の診療所へ運び込まれ、駒(門脇)と久々の再会を果たす…という展開。

 「第6回は久秀の立ち回りのシーンがあります。結構長い立ち回りで、すごく時間をかけて、いろんな角度から撮影しました。きっと血湧き肉躍る映像になっていると思いますので、是非ご期待ください」と手応え。またも“吉田久秀”の独壇場になるかもしれない。

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