フジ木10「QUEEN」竹内結子は頼れる座長 関和亮氏の演出は映画の質感「マルサの女」意識

[ 2019年1月24日 12:00 ]

木曜劇場「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」の主演を務める竹内結子(C)フジテレビ
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 女優の竹内結子(38)がフジテレビ木曜劇場「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」(木曜後10・00)で6年ぶりに連続ドラマ主演。Perfumeの作品や星野源(37)の大ヒット曲「恋」のMVなどで知られる映像クリエイター・関和亮氏とタッグを組み、斬新な映像の新感覚ドラマを生み出した。「リーガルハイ」などを手掛けた同局編成企画の加藤達也氏に竹内の魅力や関氏の起用理由について聞いた。

 主人公の弁護士・氷見江(ひみ・こう)は情報操作により裏で社会を動かし“スピン・ドクター”と呼ばれる。主戦場は法廷ではなく、パワハラ、セクハラ、名誉棄損、損害賠償などのスキャンダルや社会的トラブルの裏側。女性クライアントを社会的窮地から救い出す姿を描くノンストップ・エンターテインメント。

 共演は水川あさみ(35)中川大志(20)泉里香(30)バカリズム(43)斉藤由貴(52)ら。同局“月9”「ラヴソング」や「刑事ゆがみ」などの倉光泰子氏がオリジナル脚本を執筆。バカリズムはキャラクター監修も担当している。

 ――主人公に竹内さんを起用された理由を教えてください。

 「この企画をやると僕の中で決めた段階で、この主人公を演じられるのは竹内さんしかいないと思い、オファーをさせていただきました。というのも、女性が女性を救うというのをストーリーの根幹に置いているので、まず圧倒的に女性に支持をされている方。そして、ステレオタイプに強い女性ではなく、華やかさや女性らしさみたいなものを併せ持つ方が主人公のイメージで、それを絶妙なバランスで持ち合わせているのは竹内さんしかいらっしゃらなかったので、受けてくださり、本当に光栄です」

 ――竹内さんの女優としての魅力はどこにありますか?

 「とにかく芯がピシッと通られた方であると同時に、とても周りに気を遣われるという、強さとしなやかさを現場でも体現されている方です。周りのキャストの方が、例えば、ここはどういう風にセリフやお芝居を作っていこうかと迷っていたら、竹内さんがスッと寄り添って『こういう風にしてみたら面白いかもしれないね』と声を掛けながら、お芝居をフックアップしてくださっています。鈴木法律事務所のシーンで、他愛もない会話合戦では、テンポ感とか、どのタイミングで誰が何をやるかとか、竹内さんと皆さんが話した結果で、あうんの呼吸が生まれていて、頼れる座長として現場も回していただいて、雰囲気も作っていただいています」

 ――第1話の感想として、インターネット上には「映画のような質感」という声が相次ぎました。

 「関監督も自分がやるなら全く新しい登場感を持ったドラマにしたいと当初からおっしゃって。質感も、ドラマが始まったと言うよりは、映画が始まったんじゃないかと思えるような圧倒的に画力の強いものを作ろうという話をしていました。また、スキャンダルというのは、ともすれば品がなかったり、人をおとしめてしまう可能性がある題材なので、上質な画面の中でキレイに撮って、えぐみを中和するという意図があります。それを叶えるために制作スタッフ、機材、仕上げの編集まで、いろいろなクリエイターの方に集まっていただき、テレビドラマらしくないチームで作っています」

 ――日本屈指の映像クリエイター・関監督の演出の凄さはどこにありますか?

 「第1話の冒頭、主人公たちの登場シーンは長回しで一連で撮ったのですが、一瞬でこのドラマはおもしろそうだと思えると、いろいろな人からおっしゃっていただきました。そこには関さんの個性が出ているのかと思います。実は今回、普通のドラマより長回しが非常に多いです。役者さんたちも、どう自由に、どう生き生きとして動こうかと考えながらお芝居をしてくださり、そんな役者さんたちの気持ちとか芝居を止めずに、カメラを移動させながら画作りも考えて撮っていくというのは、このドラマならではの新しいタッチになっているんじゃないかと思います」

 ――関監督は、伊丹十三監督の名作「マルサの女」(1987年)を意識しているとおっしゃったと聞きました。

 「スピン・ドクターや情報操作など、新しくて聞きなれないものを扱っているので、ハイセンスで先鋭的に作ると、取っつきにくすぎるんじゃないかと。むしろ温かみがあったり、手触り感や親しみがあるものを目指した方が、真新しいものと懐かしく感じられるものが合わさって、作品全体のクオリティーが上がるのではないかと、そういう話を関監督とはしています。伊丹十三さんは、割と実際のものをベースにされて、そこにピリッとする毒を入れながら、広く日本人に受け入れられる希有な作品を作り続けられた監督で、その中でも『マルサの女』は女性が活躍していくという話なので、そこにヒントがあるんじゃないかと。色味の使い方などは『マルサの女』のテイストを意識していますね。『マルサの女』もそうなのですが、セットの感じも、突然セットの中に黄色とか変わった色が差し色として入っていたりするんですが、そういうところは伊丹さんのモダンなのに懐かしみを感じる画面を意識しています」

 ――それは物語においてもですか?

 「下世話なものにおかしみがあったりとか、バイオレンスと笑いがしっかりあるというのが伊丹さんの映画のポイントだと思いますが、伊丹さんの映画に見られるような毒っ気だったり、ドキッとするシーンは敢えて入れていこうと、ずっと関監督と話をしています」

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2019年1月24日のニュース