「震えた」是枝監督 カンヌ最高賞パルムドールに「万引き家族」

[ 2018年5月21日 05:30 ]

最新作「万引き家族」がカンヌ国際映画祭の最高賞「パルムドール」に輝き、トロフィーを手に笑顔の是枝裕和監督(C)2018「万引き家族」製作委員会
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 フランス南部で開催されていた第71回カンヌ国際映画祭の授賞式が19日夜(日本時間20日未明)に行われ、コンペティション部門に出品された是枝裕和監督(55)の「万引き家族」が最高賞パルムドールに輝いた。世界三大映画祭の中でも最高峰のカンヌで日本映画が同賞を受賞したのは、今村昌平監督の「うなぎ」(97年)以来21年ぶり、5作目の快挙。是枝監督は5回目のコンペ出品で栄冠。出演者も歓喜に沸いた。

審査員長の女優ケイト・ブランシェット(49)が「今年のパルムドールはコレエダ…」と発表すると、タキシード姿の是枝監督は信じられないという表情を浮かべ、しばらく席から立てずにいた。ステージに上がり、ブランシェットからトロフィーを受け取ると、何度も見つめ、感激のあまり「うわぁ」と声を漏らした。

 カンヌの常連で、コンペ出品5回目での頂点。「さすがに足が震えています」と緊張の面持ち。「この場にいられることが本当に幸せです。今回頂いた勇気と希望を、スタッフとキャスト、若い映画の作り手と分かち合いたい」と感謝。「対立している人と人を、隔てられている世界と世界を、映画がつなぐのではないかという希望を感じます」とスピーチし、客席を埋めた世界の映画人から大きな拍手を浴びた。

 授賞式後の会見では、発表を待つ間の心情について「気がつくと(最高賞に次ぐ)グランプリとパルムドールしか残っていなかった。周りがザワザワしてきたので、不安な気持ちもありつつという感じでした」と振り返った。トロフィーを持ちながら取材に応じ「凄く重いんですよ。腕がかちかち」と笑顔。パルムドールの受賞監督は、オーソン・ウェルズ、フェデリコ・フェリーニ、黒澤明ら歴史的巨匠がずらり。「別の意味でもこれを頂くのは本当に重たい。これをもらった監督として恥ずかしくないものを作らなければならないという覚悟を、また新たにしています」と語った。

 名実ともに“世界のコレエダ”となった是枝監督は23日に帰国予定。「海外の役者たちと一緒に映画を作るというチャレンジに向かってみようかなと、ここ数年思っています」と、早くも次回作に目を向けている。

 「万引き家族」は日本では6月8日に公開される。全国200館規模となる。パルムドール受賞で観客動員増が見込まれ、配給関係者は「公開直前におめでたいニュースが届き、弾みがつく」と喜んだ。海外での配給も決まっている。

  ◇万引き家族 家の持ち主の祖母(樹木希林)の年金を頼りに、父(リリー・フランキー)と息子(城桧吏)が万引で日用品を補い、母(安藤サクラ)とその妹(松岡茉優)と共に、貧しいが仲むつまじく暮らしている。父が連れてきた幼い女の子(佐々木みゆ)を迎え入れ、娘として育てようとするが、やがてある事件が起き、家族それぞれの秘密や関係性が明らかになっていく。是枝監督は脚本や編集も手掛けた。

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