大杉漣さん遺作「バイプレイヤーズ」最終回4・5% 番組最高で有終の美

[ 2018年3月8日 10:00 ]

テレビ東京「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」最終回の1場面(左から松重豊、田口トモロヲ、大杉漣さん、遠藤憲一、光石研)(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会
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 2月21日に急死した俳優の大杉漣さん(享年66)が出演し、亡くなる約7時間前まで撮影していたテレビ東京の連続ドラマ「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」(水曜後9・54、全5話)の最終回が7日に放送され、平均視聴率は4・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが8日、分かった。数字自体は高くないが、番組最高を更新し、有終の美を飾った。裏番組の日本テレビ「anone」(水曜後10・00)は5・4%で、0・9ポイント差。全5回のうち、最も肉薄した。大杉さんの“最後の勇姿”に多くの視聴者が泣き、笑った。

 第1話=3・1%、第2話=2・9%、第3話=1・8%、第4話=3・3%と推移。最終回は前回から1・2ポイント増となった。数字そのものは高くはないが、最終回は「バイプレイヤーズ」が一時、リアルタイム検索の1位になるなど、インターネット上で反響。多くの視聴者が大杉さんとの別れを惜しんだ。

 ドラマは約1年ぶりの復活となり、深夜枠(金曜深夜0・12)の40分枠からプライム帯(午後7〜11時)の1時間枠に昇格。昨年1〜3月に放送された前作「〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」に続き、大杉さん、遠藤憲一(56)田口トモロヲ(60)松重豊(55)光石研(56)が出演。寺島進(54)はスケジュールが合わず、今作は休んだ。

 前回は、6人が共同生活を送る“おじさんだらけのテラスハウス”として話題に。今回は、テレ東制作の朝ドラ「しまっこさん」で共演することになった5人がロケ地を間違えて無人島に流れ着き、サバイバル生活を強いられる。何とか助かり、島の廃屋“島ハウス”で共同生活をしながら「しまっこさん」の撮影に臨む姿をユーモラスに描いた。

 おじさんたちの“わちゃわちゃ”ぶりがパワーアップし、視聴者の“おじさん萌え”に拍車。無人島生活&劇中劇の朝ドラ設定、里見浩太朗(81)らの豪華ゲストや名脇役たちも撮影本番が始まるまで誰だか分からないシークレットゲストも反響を呼んだ。

 約7割の撮影を残していた最終回だが、脚本直しをほぼ1日で終えるなど、厳しいスケジュールの中、キャスト・スタッフが一丸となり、総力を結集。見事、完成にこぎ着けた。

 最終回は劇中劇「しまっこさん」がクランクアップ。打ち上げが行われ、キャスト・スタッフで「しまっこさん」最終回を鑑賞していると、最後に大杉さんたちが演じた端役、島おじさん・島ママのスピンオフドラマ「もしも島おじさんが主役になったら(仮)」が制作されることがサプライズ発表される…という展開だった。

 大杉さんの最後のセリフは「バイプレイヤーズ もしも島おじさんが主役になったら」の撮影に向かう時の「よっしゃ、じゃあ、行きますかね」だった。

 エンドロールの後に「このドラマはフィクションです。ありがとうございました!また、会う日まで。」とテロップが表示され、名脇役として濃密な時間を共有した4人の仲間、遠藤、田口、松重、光石が後ろ姿で波打ち際にたたずむ映像。4人は海に向かって「漣さーん、ありがとうー!」と大声で叫び、感謝した。

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