寅さんは柴又で生き続ける…さくら感激 重要文化的景観選定へ

[ 2017年11月26日 05:53 ]

「寅さんサミット」で山田洋次監督のメッセージを読み上げる倍賞千恵子
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 映画「男はつらいよ」シリーズのロケ地が集結する「寅さんサミット2017」が25日、主人公・寅さんの故郷、東京都葛飾区柴又で開幕し、国内外17の地域が参加した。国の文化審議会が17日、街並みを重要文化的景観に選定し、保護の対象とするよう林芳正文部科学相に答申。近く答申通り告示され、寅さんが愛した街並みが保存される。祝賀セレモニーも同時に行われ、お祝いムードに包まれた。

 重要文化的景観が東京都内で選定されれば初めてになる。対象は柴又帝釈天(題経寺)と京成柴又駅まで連なる門前町、「矢切の渡し」で知られる渡し船が行き交う江戸川など、下町情緒豊かな景観だ。その帝釈天参道にある老舗団子店「高木屋老舗」の石川宏太社長(65)は「長く取り組んできたことが認められた。寅さんも喜んでいるのでは」と感慨深げに話した。

 高木屋はシリーズで寅さんのおいちゃん、おばちゃんが経営する団子店「くるまや」のモデル。ロケの拠点となり、店には出演者の写真や渥美さんから贈られた土産品が並ぶ。柴又まちなみ協議会理事長も務める石川社長は、今回の選定答申を渥美さんの妻に電話で報告。すると後日、祝福を込めた鉢植えの花が届いたという。その花は寅さんが帰ってきた時のために用意された「予約席」の近くに飾られている。

 重要文化的景観に選定されれば、利便性で制約も出てくる。古い建物を長く維持するのは、防火や耐震面など決して簡単ではない。それでも石川社長は「渥美さんは亡くなったけど、寅さんはたぶんまだ生きている。ある日突然帰ってきても、迷うことがないように」と力を込めた。地元の努力に支えられ、寅さんは人情あふれる柴又でいつまでも生き続ける。

 ≪山田監督メッセージを倍賞が代読≫祝賀セレモニーでは「男はつらいよ」シリーズの山田洋次監督(86)がメッセージを寄稿し、倍賞が代読した。「映画は柴又の皆さんが育んでこられた変わらないこの風景の中で同じ時を刻んできた。寅さんもこのことを誇りに思っているはず」。倍賞は「山田さんが街並みを残すよう、皆さんにお願いしたと聞いています」と振り返った。

 ▼重要文化的景観 地域の自然と人々によってつくられた景観のうち、特に重要であるとして自治体が申請し、国の文化審議会が選定。文化財保護法に基づいて保護され、景観に変化を及ぼす行為については文化庁長官に届け出なければならない。景観の保存、整備などに対しては国から経費の補助が行われる。これまでに高知県・四万十川流域の文化的景観、京都府・宇治の文化的景観など、全国で58件が選定されている。

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