【大人の魅力】島津亜矢 極限状態だった初紅白 本番直前に猛烈な眠気に襲われ…
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「帰らんちゃよか」「愛染かつらをもう一度」などで人気の演歌歌手・島津亜矢(46)が、今年もNHK紅白歌合戦に出場することになった。3年連続4回目。最近は中島みゆきやJポップの名曲にも挑戦、活躍の場を広げている。そんな希代の歌姫に音楽に懸ける思いを聞いた。
今年もまた朗報が届いた。演歌の歌い手にとっては、まさに夢のステージ。言葉も弾む。
「おかげさまで紅白の舞台に立たせていただけることになりました。感謝の気持ちでいっぱいです。自然体で臨み、心に響く歌をお届けできるよう頑張ります」
初めて出場したのは、01年、ちょうど30歳の時だった。
「出場が決定しましたとの連絡を受けてもしばらくの間は半信半疑の状態でしたね。夢なのか現実なのか、自分ではすぐに理解できないような。周囲の皆さんからお祝いの言葉やお花をいただいて、少しずつ実感が湧いてきました」
初出場組は発表の当日、渋谷のNHKで記者会見を行うのが慣例。その日はすでに福岡でのリサイタルが決まっており、会見後、約1時間遅れで会場へ駆けつけた。舞台に立つと、いきなり「おめでとう!」の拍手と歓声が湧き起こった。
「私のためにずっと待っていてくれてたわけじゃないですか。それなのに物凄く温かく迎えていただいて。ファンの皆さんのありがたさを改めて実感しました」
大みそか、夢の舞台。本番が近づくにつれて、経験したことのないような眠気に襲われた。不思議だがその原因は極度の緊張だと知った。もう我慢できない。出番寸前だったが楽屋で仮眠をとった。
「生まれて初めての体験でした。気が張り詰めすぎると人間は眠くなるんですね。決して余裕なんかじゃありません。その後、舞台の袖で震えが止まらない私を見て、プロデューサーさんが“大丈夫だよ”って手を握ってくれました」
披露したのは「感謝状〜母へのメッセージ」。熊本から歌手を目指し上京、その幼い娘を陰で支えた母(久美子さん)への思いを熱唱。「絶対に泣くわけにはいかない。ここまで私をサポートしてくれた多くの人たちのためにも最後までしっかりと歌わなくては。マイクを握っている間はそのことだけを考えてました」
初の紅白は、生涯忘れることのできないスポットライトとなった。
子供の頃から天才演歌歌手の名をほしいままにしてきたが、最近は新たなジャンルに挑んでいる。今年9月には「SINGER4」をリリース。「さよならの向う側」(山口百恵)「YELL」(いきものがかり)などを収録。歌謡曲、Jポップなどをカバーするアルバムは、これが4作目となった。
「どんな歌でも歌いたい。もちろん、難しい曲はあります。でも、私は歌によって違和感は感じたことはありません。たぶん、それも母のおかげだと思いますね」
音楽に初めて触れたのは、母親の胎内にいる時だった。歌好きの久美子さんが、我が子のために歌謡曲や演歌、洋楽などいつも音楽を流していた。物心ついた頃には、母が運転する車の中で井上陽水らニューミュージック、フォークも耳に入ってきた。
「歌のない生活は考えられません。人間ですから体調が悪かったりノドの調子が良くなければ、気持ちの波もあります。でも、歌を辞めたいと思ったことは一度もありません」
来年3月には、東京・日本武道館で行われる「歌縁(うたえにし)〜中島みゆきリスペクトライブ2018」にも出演する。
恩人は「函館の女」「みだれ髪」など多くのヒット曲を世に出した、作詞家の故星野哲郎さんだ。北島三郎の大ファンだった少女時代は、「いつか星野先生に自分の詞を書いてもらいたい」と夢みていた。
小学生の時から、ずばぬけた歌唱力で「のど自慢」「歌謡祭」などですでに有名。中学を卒業すると同時に上京し、星野門下に入った。順風満帆の歌手生活のスタートと思いきや、プロの世界はやっぱり厳しかった。なかなかヒットが出ない。歌う仕事も減る。そんな時はいつのまにか師へ電話していた。
「また何かあったのか」
「先生、今から伺ってもいいですか」
「分かった、分かった。泣いていても腹は減る。メシを食いに行こう」
星野さんはどんな時も優しく迎えてくれた。そして、帰り道は夫人とともにバス停まで見送ってくれたという。
今でも心に刻んでいる恩師の言葉。それは「おまえのノドと根性さえ腐らなければ必ずなんとかなる。とにかく自分を信じて頑張れ。どんな時でも前を向け!」。これからも肝に銘じて歌い続ける覚悟だ。
◆島津 亜矢(しまづ・あや)本名島津亜矢子。1971年(昭46)3月28日生まれ、熊本県出身の46歳。86年、「袴をはいた渡り鳥」でデビュー。幼い頃、「家族そろって歌合戦」に出場した際、審査員の高木東六さんが「この子は末恐ろしい」と絶賛した。昨年の紅白歌合戦では、「川の流れのように」を披露。
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