朗読劇の金字塔「ラヴ・レターズ」12月に青井陽治氏追悼公演 新演出は藤田俊太郎氏

[ 2017年10月7日 15:00 ]

翻訳家・演出家の青井陽治氏の追悼公演として上演される朗読劇「ラヴ・レターズ」でカップルを組む尾上右近(左)と松井玲奈
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 今年9月1日に亡くなった翻訳家・演出家の青井陽治氏(享年69)が四半世紀にわたって訳・演出を手掛けた朗読劇の金字塔「ラヴ・レターズ」が追悼公演として12月17日に東京・EXシアター六本木で上演される。青井氏の薫陶を受けた気鋭の演出家・藤田俊太郎氏が演出を引き継ぐ。カップルは青井氏はキャスティングした歌舞伎俳優の尾上右近(25)と女優の松井玲奈(26)。青井氏への追悼を込め「ラヴ・レターズ」は次の一歩を踏み出す。

 1990年8月の初演以来、延べ469回、26年間にわたって読み継がれてきた「ラヴ・レターズ」は米作家A・R・ガーニー氏作。89年にニューヨークで初演されるや、全世界で上演され、静かな感動を巻き起こした。大掛かりな仕掛けはなく、テーブルと2脚のイスというシンプルな舞台。並び座る男優と女優が、大人になって再会する幼なじみアンディーとメリッサの恋物語を読み上げるだけの2時間。日本初演は90年8月19日、役所広司(61)と大竹しのぶ(60)が出演した。

 青井氏とパルコ劇場(東京・渋谷区)の内藤美奈子プロデューサー(現東京芸術劇場)が上演権を獲得。ホームグラウンド・パルコ劇場はビル建て替えのため、昨年8月をもって一時休館。休館に入る前のラスト1週間、渡辺謙(57)南果歩(53)夫妻ら日替わり豪華カップルで有終の美を飾った。

 青井氏から演出を引き継ぐ藤田氏は1980年生まれ。東京芸術大学在学中の2004年、ニナガワ・スタジオに入り、05年から10年間、蜷川幸雄さん演出作品に演出助手として関わった。今年、ミュージカル「ジャージー・ボーイ」の演出で第24回読売演劇大賞・優秀演出家賞、「ジャージー・ボーイズ」「手紙2017」の演出で第42回菊田一夫演劇賞に輝く気鋭の演出家。

 青井氏との出会いは、演出助手を務めた蜷川さん演出作品「恋の骨折り損」。青井氏が25年ぶりに俳優として舞台復帰し「ご自分の台詞が正しく言えているかどうか、日々の稽古の中で助手である僕にチェックをしてほしいと頼んでくれました。台詞、言葉をとても大事にする姿に感銘を受けました。僕は青井さんに対して何か大きい仕事をしたわけではありませんが、あの時の青井さんの『稽古中の君の細かいチェックのおかげで公演を乗り越えることができました、ありがとう』という言葉は、演出助手である僕にとって支えとなる言葉でした」と振り返った。

 青井氏から演出を引き継ぐ藤田氏は「僕がミュージカル演出のお話をいただくようになってからは、たくさんのことを教わりました。それは青井さんが切り開き、歩んできた道、現在につながるミュージカル、演劇の歴史そのものです。そのすべての言葉はいつまでも僕の中に生き続けています。今回の『LOVE LETTERS』上演でアンディー尾上右近さん、メリッサ松井玲奈さんに出会えたことに感謝を込めまして。青井さんの想いを一通一通、一文字一文字のLOVE LETTERSに込めてお客様に届けます。どうか見守っていてください。ありがとうございます。またLOVE LETTERSを贈ります」と感謝の意を捧げた。

 尾上も「名だたる方が演じてこられた歴史ある『LOVE LETTERS』に出演させていただきますこと、心からうれしく思っております。青井陽治先生へのご追悼の意を込め、松井玲奈さん、演出家の藤田俊太郎さんとご一緒に、大切に勤めさせていただきます」、松井も「作品を読ませていただき、私自身も愛について考るきっかけをいただきました。お相手役の尾上右近さん、演出家の藤田俊太郎さんとともに、青井先生へのご追悼の意を込めて、今回だけの『LOVE LETTERS』をお届けすることができたらと思います」と意気込んでいる。

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