伝統芸能で日中友好を 歌舞伎と京劇が共同公演 菊之助ら出演

[ 2015年4月2日 23:49 ]

2日、北京の梅蘭芳大劇院で開催された歌舞伎と京劇の共同公演が終わり、観客にあいさつする尾上菊之助(中央)ら

 日中友好を伝統芸能の交流で促進しようと、日本の歌舞伎と中国の京劇の共同公演が2日夜、北京の梅蘭芳大劇院で開催された。

 歌舞伎俳優の尾上菊之助が小姓弥生、獅子の精を踊り分ける「春興鏡獅子」を披露。中国側は中国国家京劇院が、秦始皇帝の死後、劉邦との覇権争いに敗れた項羽と虞姫(虞美人)の自害を描いた悲劇「覇王別姫」を上演した。両国の伝統芸能が一度に鑑賞できる貴重な機会になった。

 この日は、960ある全チケットが完売。ほとんどが中国人で若い女性が多く、身を乗り出して菊之助の勇壮な舞を見つめたり、盛んな拍手を送ったりするなどしていた。

 カーテンコールでは日中の友好を演出。菊之助が京劇役者を舞台に招いて手をつないでそろって謝意を伝えると、観客は立ち上がって大歓声を送っていた。

 公演は中国の民間友好団体、中国人民対外友好協会(李小林会長)などが主催し、日本大使館や自民党歌舞伎振興議員連盟(会長・中曽根弘文元外相)が後援している。

 中国での歌舞伎公演は国交正常化前の1955年に始まった。79年には菊之助の祖父の尾上梅幸さんも「鏡獅子」を演じている。(共同)

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2015年4月2日のニュース