侍・栗山監督が退任へ 後任にイチロー氏、松井秀喜氏ら浮上 8月いっぱいメドに次期監督選定作業

[ 2023年5月30日 02:00 ]

侍ジャパン・栗山監督
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 侍ジャパンを率い、今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3大会ぶりの世界一に導いた栗山英樹監督(62)が今月までの任期満了に伴い、退任することが29日、分かった。近日中に発表される。侍ジャパン強化委員会は新たな代表監督の人選に入るが、イチロー氏(49=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)、松井秀喜氏(48=ヤンキースGM特別アドバイザー)らが候補に挙がるとみられる。

 侍ジャパンが再出発を切る。契約期間中の栗山監督の意向を確認し、5月31日の任期満了に伴う退任が決まった。3月のWBCで14年ぶりの世界一に導いた指揮官は、米国との決勝戦後「今後の侍ジャパンのことを考えると新しい人が監督をする方が野球の将来のためになる」と語っていた。

 21年12月の就任から1年6カ月。短期の任期の中で、大きな功績を残した。エンゼルス・大谷、パドレス・ダルビッシュに加え、初の日系人となったカージナルス・ヌートバーを招集。レッドソックス・吉田もメジャー移籍1年目で異例の参加となり、今後のチーム編成に新たな道を切り開いた。

 さらにメジャー組の国内調整のための試合出場をMLBに強く要望。将来に向け、出場選手の調整が平等にできるよう訴えた。「これからのWBCのために変えていかなければいけない」という思いから、今後の大会を見据えてそれ以外にも数多くのルールの改善を求めるなど、全力で駆け抜けた。

 侍ジャパン強化委員会は、8月いっぱいをめどに次期監督の選定作業に入るとみられる。候補にはいずれも監督、コーチ経験はないもののWBC第1回、第2回大会の中心選手で連覇に貢献したイチロー氏、巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏が挙がるもようだ。さらにホワイトソックスでも活躍した前ロッテ監督の井口資仁氏や、ソフトバンクを5度日本一へ導いた工藤公康氏、04年アテネ五輪に出場した前巨人監督の高橋由伸氏らも候補に挙がる。

 2度目の連覇を狙う26年の第6回WBCは、今回以上にメジャーリーガーを多く編成して臨む可能性が高い。左脇腹痛で辞退したカブス・鈴木、移籍1年目で出場しなかったメッツ・千賀をはじめ、さらに今大会の主力だったオリックス・山本、DeNA・今永ら、今後、大リーグ移籍を目指す選手も多い。ヤクルト・村上も26年からのメジャー挑戦を容認されており、指揮官も国際大会やメジャー経験の豊富な人選が必要になってくる。

 今年11月に東京ドームで開催される「第2回アジアプロ野球チャンピオンシップ」が新監督の初陣となる予定。今後、慎重に人選が進められることになる。

 ◇栗山 英樹(くりやま・ひでき)1961年(昭36)4月26日生まれ、東京都出身の62歳。84年に東京学芸大からドラフト外でヤクルト入団。89年に中堅手でゴールデングラブ賞受賞。90年に現役引退。通算成績は494試合で打率・279、7本塁打、67打点、23盗塁。引退後はスポーツキャスター、白鴎大教授などを務め、12~21年の10年間、日本ハム監督として大谷(現エンゼルス)を二刀流として育てた。16年に日本一。21年11月に侍ジャパン監督に就任し、今年3月の第5回WBCで3大会ぶりの優勝に導いた。

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