パドレス25試合中15試合でチケット売り切れも、ファンは歴史的貧打線にブーイング

[ 2023年5月21日 10:54 ]

パドレスのザンダー・ボガーツ(AP)
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 パドレスが負け続けている。19日(日本時間20日)も吉田正尚のレッドソックスに1-6の完敗。過去12試合で2勝10敗、トータルで20-25敗、ナ・リーグ西地区の4位だ。

 昨オフがスタートしてから、ザンダー・ボガーツと11年総額2億8000万ドル、マニー・マチャドと11年総額3億5000万ドルなど、総額10億ドルの巨額投資を敢行、地元ファンを狂喜させた。サンディエゴの人たちは競ってシーズンチケットを購入。おかげでここまで成績が悪くても、ホームゲーム25試合中15試合でチケットは売り切れ。しかしながらスタンドからは失望のブーイングが聞かれるとスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」が報じている。

 一番の問題は歴史的に打てない打線だ。メジャーの長い歴史の中で、得点圏に走者を置いて打率が2割以下のチームは一つもないのに、ここまで・194である。トータルのチーム打率・225は30球団最下位で、2020年の新型コロナの短縮シーズンを除くと、1972年のメッツ(・225)以来の低い数字だ。

 通常、メジャーチームはメモリアルデー(5月29日の戦没将兵追悼記念日)くらいまでチームの戦いぶりを見て、そこから手遅れにならないよう、事態打開の行動に出る。それまで約1週間だが、AJ・プレラー編成本部長は地元記者の取材に「1試合1試合の結果にいちいち反応してはならない。大きな視野で物を見ないといけない。我々の信頼は全く揺らいでいない。ポストシーズンを勝ち進めるだけの才能が集まっている。今は良いプレーができていないだけ」と話す。

 良い打者がいるのに打てないのであれば、問題は打撃コーチとなるが、編成本部長は「打撃コーチのせいにするのは簡単だけど、私はそう思わない。うちには良いコーチがいる。今は選手がうまくバットを振れていないだけ。それ以外に言うことはない。コーチは自分の仕事が良く分かっているし、選手のことを思い、良い関係を築いている。160数試合戦えば、結果は出てくる」と言う。

 選手層の薄さも問題だ。傘下の3A球団も19勝24敗と同じような成績で、特に昇格させたいような野手はいない。マチャドが骨折したため、代わりにブランドン・ディクソン(31)を上げたが、メジャーでの通算OPSは・665と低く、19日の試合では3打数0安打で、1失策だった。「今はどのチームもまだトレードに動く時期ではない。焦点を絞るべきは今いる選手のこと。彼らが本来の力を発揮できるよう、何をすべきか日々考えている。起用法だとか、どんなメッセージを送れば良いのかなどだ」。ボブ・メルビン監督への信頼も「高い」と言う。この週末地元でレッドソックスと戦った後は、東海岸遠征に出てヤンキースなどと対戦する。メモリアルデーまでのスケジュールは楽ではない。

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