明大のマネジャーとの“二刀流”石田が神宮初登板 みんなの声で「自分の力以上の力が出せたと思います」

[ 2023年5月21日 17:34 ]

東京六大学野球春季リーグ戦第7週最終日2回戦   明大11―3立大 ( 2023年5月21日    神宮 )

<立大・明大>3番手で登板したマネジャーと二刀流の明大・石田朗(撮影・大城 有生希)
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 立大に連勝して勝ち点5の完全優勝を果たした明大。この試合の3番手で神宮デビューを果たしたのがマネジャーも兼任する石田朗(4年=明治)。背番号「41」を付けて懸命に小島河のミットに投げ込んだ。

 昨秋、新チームとなった際、田中武宏監督から森裕規主務(4年=滝川)の負担軽減も含め「マネジャーを手伝ってくれ」と打診されサブマネとして活動することになったが、投手としての練習も手を抜くことはなかった。この姿に指揮官も「マネジャーとしても選手としても、とにかく一生懸命やってくれる。石田を何とか神宮のマウンドに立たせたい」と開幕の東大戦、そして立大戦とベンチに入れた。この3試合とも接戦となり、ブルペンで肩をつくったが登板機会はなかった。

 しかしこの日は打線が奮起、5点リードで迎えた8回、ついに石田がマウンドに上がった。3塁側応援席からも大きな拍手と石田コールが湧き上がり、田中監督自らマウンドに駆け寄って声をかけた。チーム一丸となって石田を後押し。先頭の代打寺戸の大飛球を右翼・榊原七斗(1年=報徳学園)がフェンス際でジャンプして好捕する美技で援護。1安打は許したが無失点で締め、ベンチに戻ると田中監督が笑顔で出迎えた。

 善波達也前監督時代も真剣に野球に取り組んだ4年生の控え部員をリーグ戦で起用してきた。しかしマネジャー兼任は異例。大役を果たした石田は「7回が終わった時点で登板を言い渡されたので、その時点が一番緊張していました。監督にも声をかけてもらい、守ってくれている選手、ベンチ、スタンドの声に後押しされて自分の力以上の力が出せたと思います」と笑顔で話した。

 MAXは122キロでも、ナインから祝福された石田の1イニング19球は大きな感動を呼んだ。

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