ロッテ・西野“兆治魂”5勝 TJ手術から復活の背番「29」完投でリーグ単独トップ

[ 2023年5月21日 05:20 ]

パ・リーグ   ロッテ6-1楽天 ( 2023年5月20日    楽天モバイル )

<楽・ロ>完投でリーグ単独トップの5勝目を挙げた西野(撮影・長久保 豊)
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 リーグ単独トップの5勝目を挙げた敵地でのヒーローインタビュー。ロッテ・西野は好調の要因を問われて「ファンの声援」と答えた。右翼席のファンから降り注ぐ拍手。「僕が投げる試合は野手がよく打ってくれる」と感謝も忘れなかった。

 前日の雨天中止からのスライドでも、守護神の経験もある32歳の投球はさえた。最速150キロの直球に得意のフォーク、90キロ台のカーブも交え4回まで無安打投球。初安打を許した5回に鈴木大に同点適時打を浴びたが崩れない。9回は3者凡退で締めガッツポーズ。チームで9回を投げての完投勝利は、昨年4月10日に完全試合を達成した佐々木朗以来だった。97球で3安打1失点に抑え、自身2度目の完投。吉井監督も「序盤から速球が強く、田村もうまく配球してくれた」と評した。

 背番号はチームのレジェンドOBでもある村田兆治と同じ「29」。偉大な先輩も受けた「右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)」を20年6月に受けた。昨季は救援で37試合に登板し、今季は先発に再転向。開幕から好調を維持する。「マサカリ投法」で通算215勝の先輩は同手術後に防御率1位のタイトルに輝くなど長く活躍。その背中を追い「真摯(しんし)に野球に取り組む姿を見せたい」と誓う。

 首位のチームは4連勝(1分け挟む)で貯金を今季最多の8とした。「積み重ねていきたい」と西野。まだまだ白星を積み重ねる。(大内 辰祐)

 ≪TJ手術後の最多勝は09年ヤクルト・館山≫西野(ロ)が1失点完投で今季5勝目。自身の完投勝利は19年9月7日ソフトバンク戦の完封以来3年8カ月ぶり2度目となった。西野は20年のトミー・ジョン手術から昨年1軍に復帰。今季はこの日の勝利で、パ勝利部門の単独トップに立ったが、同手術から復活後に最多勝獲得は、09年の館山昌平(ヤ)がいる。また、他にも、チームの先輩で同じ背番号29だった村田兆治は89年に最優秀防御率、桑田真澄(巨)は98年に勝率1位、02年に最優秀防御率とそれぞれ術後にタイトルを獲得しており、西野も続きたい。

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