山梨学院 初の甲子園2勝!エース・林 開幕戦から2試合連続完投!自己最速また更新140キロ

[ 2023年3月25日 05:10 ]

第95回選抜高校野球大会第6日・2回戦   山梨学院4-1氷見 ( 2023年3月24日    甲子園 )

<山梨学院・氷見>山梨学院先発・林(撮影・須田 麻祐子)
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 2回戦3試合が行われ、山梨学院は氷見(富山)に4―1で快勝。エース右腕の林謙吾(3年)が開幕戦に続いて2戦連続完投勝利を挙げた。チームは春夏通じて初めて甲子園で2勝目を挙げ、初の3回戦に進出した。

 27個目のアウトを見逃し三振で奪うと、ようやくポーカーフェースを崩した。7安打1失点、無四球で完投。林は「歴史を塗り替えると思ってやってきた。素直にうれしい」と新たな歴史を刻んだ119球に胸を張った。

 重い扉がやっと開いた。チームは春夏通じて16度目の甲子園で初めて3回戦に進出。林も16年に全5試合完投で智弁学園(奈良)を優勝に導いた村上頌樹(現阪神)以来、7年ぶりとなる選抜開幕戦からの2試合連続完投勝利を決めた。初回こそ2死から失策と連打で先制点を許したが集中力は持続し、3ボールはわずか1度。6回は自己最速を1キロ更新する140キロも記録し「後半になるにつれて自分の投球ができた。次もこういう投球ができれば」と見据えた。

 中5日の登板。さらに気温が上昇して「暑さでくらっとした」と振り返る。序盤は不調で初回に先制を許したが、味方の攻撃時はベンチ裏で首の後ろを冷やし、懸命に右腕を振った。直球は試合途中に手首の角度を修正。過酷なコンディションでも冷静さを失わずチームを勝利に導いた。

 13年からチームの指揮を執る吉田洸二監督にとっても今選抜は縁起の良い春だ。清峰(長崎)の監督時代、準優勝した06年と優勝した09年はいずれもWBCで侍ジャパンが優勝。今回は14年ぶり3度目の世界一を奪還し、指揮官も「縁起はいいんじゃないか。WBCにあやかりたい、あやかるしかない」と目を輝かせる。

 次戦も完投が期待されるが、林は「完投は意識せず、一回一回、目の前の打者だけに集中して投げたい」と表情を引き締める。「日本一」の富士山をイメージし、昨春から身に着けているブルーのユニホーム。16年春の智弁学園や今回の侍ジャパンのように、魂のプレーで頂点を極める。(村井 樹)

 ◇林 謙吾(はやし・けんご)2005年(平17)7月30日生まれ、東京都出身の17歳。舎人第一小1年時に野球を始めた。駿台学園中では軟式野球部に所属し、1年時に夏の全国大会でベスト4入りを経験。山梨学院では2年秋からベンチ入りし、昨秋の明治神宮大会から背番号1。50メートル走6.6秒、遠投100メートル。1メートル78、81キロ。右投げ右打ち。

 ≪山梨県勢1大会2勝は22年ぶり≫山梨学院が今大会2勝目を挙げ3回戦に進出した。山梨県勢の春16強は19年の同校以来だが、1大会2勝は01年の市川(2勝=8強)以来22年ぶりとなった。また、林の2試合連続完投勝利も県勢では01年市川の笠井誠治以来となった。

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2023年3月25日のニュース