過去10年でプロ12人、大商大強さの秘密 「追いつけ追い越せ」「妥協しない」プロ注目投手証言から検証

[ 2023年1月12日 08:00 ]

勝尾寺で必勝祈願した大商大の(左から)野中、上田、高(撮影・須田 麻祐子)
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 なぜ大商大は、毎年のようにドラフト候補に挙がる有力選手を輩出できるのか――。今年の新4年生には、上田大河、高太一、野中太陽と最速150キロ超えの投手が3人もそろう。そのうちの一人、最速151キロ左腕の高が成長の要因を自己分析する。

 「入学したときから上田という存在が大きかったんです。関西で一番いい投手が目の前にいる環境で“上田に追いつけ、追い越せ”という気持ちで切磋琢磨できた。それが成長できた一番の要因かなと思います」

 上田とは最速153キロを誇るエース右腕のことである。2年春から主戦を担ってリーグ戦通算12勝を挙げて、3年夏に大学日本代表に選出された。

 最速154キロを計測するまでに成長した野中の主張も高と重なる。「成長できた要因は、雰囲気にあると思います。妥協しない投手が多いので自然と求めるものが高くなり、全員でレベルアップできています」。これまでもプロ注目の選手がナインに刺激を与え、チーム全体の成長を促すという好循環が生まれてきた。その連鎖は途切れることなく、楽天・太田(18年ドラフト2位)や広島・岡田(15年同1位)ら過去10年で育成を含む12人のプロ野球選手を輩出することにつながった。

 エース格の上田は言う。「全国で通用すれば、プロにも評価していただけると思う。勝てば勝つほど(プロに)近づける。勝つことを最優先にすれば、自然と(プロ野球選手に)なれるのかなと思います」。昨秋の明治神宮大会で4強入りしたように、戦力層は全国屈指だ。今年の大商大は、例年以上に目が離せない。(記者コラム・河合 洋介)

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