西武・山川 村神様バット参考の新“愛棒” 先端くり抜き操作性向上

[ 2022年12月22日 05:22 ]

新しく制作したバットを手にする西武・山川
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 西武・山川穂高内野手(31)が、来季「ヤクルト・村上モデル」バットを使用する。今季日本選手最多の56本塁打を放ったスラッガーを参考に長さを2センチ短い85センチ、20グラム軽量化した900グラムの新バットを作製した。今季は41本塁打、90打点でリーグ2冠も、シーズン終盤にスランプに陥ったため、来季は操作性を重視。史上最年少3冠王の「村神様」の御利益にあやかる。

 追い求めたのは「操作性」だった。160キロに迫る投手が次々と現れる時代。山川は今季、疲れもあった終盤の9月以降は速球に遅れる場面が目立ち、4本塁打、打率・197と苦しんだからだ。

 「今の投手はとにかくスピードが速い。前に使っていたバットだと時代遅れになってしまう。後半バテたのでがっつり変えました」

 10月にバット工場を訪問。職人と約6時間、意見をすり合わせた。たどり着いたのが今季、日本選手最多の56本塁打を放ち、史上最年少の22歳で3冠王に輝いたヤクルト・村上のバット。長さは87センチから85センチへ、重量は20グラム軽い900グラムにした。先端をくり抜いたことにも「振り抜きやすい。まずは速い球を打てないと最近だときつい」と説明した。

 一昔前まで先端をくり抜いているのは中距離打者で、長距離砲には少なかった。操作性を求める代償で飛距離が落ちる可能性もあるが「とりあえず振り切ってちゃんと当たったら間違いなくホームランになる。短い方が扱いやすい」。村上も先端をくり抜き、880~900グラムのバットを体調や投手の特徴で使い分けていた。

 今季途中、村上について「人間じゃない。本塁打数で勝ちたいと途中まで思っていたが諦めた」と話した。年間通してどんな投手、体調でも、同じスイングができることに驚いた。今季、自身は日本選手最速の通算200号本塁打を放つなど41本塁打、90打点でリーグ2冠。それでも11月25日のNPBアワーズで村上と顔を合わせ、打席での感覚や構え方などを質問するなど、打撃向上に貪欲だ。

 「年齢も30を超えてスタイルは変えないですけど、いいスイングができるようにバットを変える。年間通して操作性の高いバットを使えれば」。1年間、ベストパフォーマンスを貫くため、新たな相棒と23年を迎える。(神田 佑)

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