エンゼルス・大谷、7回零封で13勝目 史上初「投打W規定クリア」へ残り3登板で14イニング

[ 2022年9月19日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス2ー1マリナーズ ( 2022年9月17日    アナハイム )

<エンゼルス・マリナーズ>マリナーズに勝利し捕手・スタッシと笑顔の大谷(右)(撮影・白鳥 佳樹)
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 メジャー史上初のダブル規定到達が、くっきりと見えてきた。エンゼルスの大谷翔平投手(28)が17日(日本時間18日)、マリナーズ戦に「3番・投手兼DH」で出場。7回3安打無失点で13勝目を挙げた。悩まされていた右手中指のマメを考慮し、速球系を激減させ7イニングをクリア。メジャー初の規定投球回到達まで残り14イニングとした。打者でも決勝の適時二塁打。今季138安打で自身のメジャー最多安打に並んだ。

 各イニングの投球練習。大谷は5、6球で切り上げた。本来なら8球の投球が可能。前回登板で悪化した右手中指のマメに、負担をかけないための徹底管理だった。

 「マメの管理をしながらだったので、ちょっと特殊だったけど、うまく終われたのかなと思う」

 7回3安打無失点、8奪三振。前回登板とは全く違うスタイルで、二塁すら踏ませず圧倒した。8月からの武器・新球ツーシームと直球を、全投球の39%だった前回登板から19%にとどめた。一方で前回わずか2球のスプリットを16球。指の腹でボールを切るスライダーや指の間に挟むスプリットは、中指の先端にあるとみられるマメへの負担は少ない。4、5回の3三振は全て、16日(日本時間17日)の登板前日ブルペンで多投し準備を整えたスプリットで奪い「ボールでもいいぐらいの感じで低めに狙って投げていた」と振り返った。

 「むきになって投げた」という序盤は3回まで60球を要したが「早めに打ってもらうのも一つ」と切り替えて終盤4回は47球。今季148投球回とし、シーズン規定投球回はあと14イニングだ。「ここを乗り越えることができた。次まであと5日間、よりよく心配することなく投げられる」。残り登板は全て中5日で3試合。到達済みの規定打席と合わせたダブル規定クリアへ、1試合平均4回2/3とこの日の7イニングは大きかった。

 一時的に規定投球回に達し、奪三振率11・92は両リーグトップ、防御率2・43はリーグ4位タイだ。自身初のシーズン200奪三振もあと4。13勝は1918年に2桁勝利&本塁打したベーブ・ルースと並んだが、ルースの11本塁打に対し大谷は34本と約3倍だ。打者では初回、決勝打となる左越え先制二塁打を放ち、昨年に並ぶ自身メジャー最多の138安打。「投打のバランスを含めて、去年以上のシーズンを送れているというのは、一つ自信。今年の方がいいシーズン」。MVPを獲得した昨季以上の手応えを、珍しく自賛した。

 メジャー史上初のダブル規定到達へ。「本来はあまりこだわらないようにしているけど、いってみないとそれが本当にそうなのか(意味があるか)分からない。一回、いってみるのは大きい」。誰も見たことがない景色が、大谷のすぐ目の前に迫っている。(アナハイム・笹田 幸嗣通信員)

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2022年9月19日のニュース