阪神・大山 53打席ぶり一発が貴重な決勝23号ソロ、30日ぶり甲子園に「勝利届けられて良かった」

[ 2022年8月31日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1―0広島 ( 2022年8月30日    甲子園 )

<神・広>8回2死、大山は左越えに先制ソロ本塁打を放つ(撮影・北條 貴史) 
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 阪神は30日の広島戦を1―0で制し、長期ロード明けだった甲子園での初戦を白星で飾った。0―0の8回2死走者なしから、大山悠輔内野手(27)が左越えへ決勝の先制23号ソロ。出場12試合53打席ぶりの一発が、貴重な1勝をもたらした。これで今季の甲子園は30勝目となり貯金は13。シーズン残り21試合のうち15試合が聖地という地の利を生かす。 

 カウント3ボールの大山は怖い。「1球待て」というセオリーに縛られない。8回2死、広島3番手の左腕ターリーがストライクを取りにきたところを振り切った。「感触はあったけど、どうかな?」という打球は、十分な飛距離で左翼席へ。23号ソロが、両チーム唯一の得点になった。1カ月ぶりの甲子園でのゲームで、ファンの拍手を一身に浴びた。

 「自分が決める気持ちで打席に入った。その前の2打席で凡退していたので、なんとか打ってやろうと思って打席に入った」

 3ボールからの一発は、DeNAの坂本から放った7月22日以来、今季2本目だ。球種を絞りやすいカウントとはいえ、打ち損じれば、グラウンド内外の冷たい視線を覚悟しなければならない。しかも、この日は4回と6回に得点圏に走者を置いて、2度も凡退していた。広島戦は試合前まで56打数10安打(・179)で、セ5球団で最も低いという負のデータもあった。臆病風に吹かれてもおかしくない状況で強振できたのは、読みに基づく確信があったからだ。

 「相手ピッチャーは走者を出したくない、そしたらどういうボールが来るかなと考えた。3ボールだからこそ思い切りいけた部分があるのかなと思う」

 勝負師らしい仕事を、矢野監督もべた褒めした。「一発で仕留めるのは簡単じゃない。見事」。今季23本塁打中、14本が甲子園。7月31日ヤクルト戦以来の本拠地で相性の良さを発揮し、自身12試合53打席ぶりのアーチをかけた。開始が45分遅れ、7回の攻撃前に15分の中断があった雨の一日に、主役を演じた。4位広島との差を2・5に広げた。

 ヒーローインタビューでは、ちょっとした裏話を明かした。

 「その前のチャンスでなんとかしておけば、青柳さんを楽にできたので、(本塁打のあと)“すみません”と一言。笑ってくれたのでちょっと救われた」

 青柳の過去の登板時は、今季58打数22安打(・379)、8本塁打、19打点と打ちまくっていたのは知られた話。今回は援護できなかったが、チームを勝利に導けばみんながハッピーだ。残り21試合のうち、甲子園は15試合。聖地で無類の強さを誇る大山が引っ張る。(倉世古 洋平)

 《今季1―0勝利4度目のうち大山が3度決勝打》阪神の1―0勝利は今季4度目。勝利打点は、5月24日楽天戦(大山)、同27日ロッテ戦(佐藤輝)、7月24日DeNA戦(大山)で、3度が大山だ。

 《大山が本塁打出れば5連勝中》大山(神)は今季甲子園で14本塁打目。チームの甲子園本塁打25本の56%を占め2位の佐藤輝(5本)に9本差をつけている。大山が本塁打を打てばチームは15勝4敗1分けで5連勝中。

 《夏の長期ロード明け2年ぶり白星発進》阪神の夏の長期ロード明け白星発進は20年以来2年ぶり。今季はこれで甲子園30勝目(17敗1分け)の勝率・638。30勝到達は19年の矢野阪神1年目から4年連続で、この間の最多勝は20年の36勝(18敗3分け)で勝率・667。今季は15試合を残しており、現在の勢いなら矢野阪神での最多勝利も十分狙える。

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