広島・森下 雨中の力投、6回無失点実らずも「いい気持ちで投げられた」直接対決敗れ3位阪神と2・5差

[ 2022年8月31日 04:45 ]

セ・リーグ   広島0―1阪神 ( 2022年8月30日    甲子園 )

<神・広>好投を見せた広島先発の森下(撮影・北條 貴史) 
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 広島は30日の阪神戦で今季12度目の零敗を喫し、森下暢仁投手(25)が見せた6回無失点の力投は報われなかった。降雨の影響で試合開始が45分遅れ、途中からは強い雨に見舞われる中で104球を投じるも、自己最多を更新する11勝目は次回以降に持ち越された。逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出へカギを握る3位・阪神との直接対決第1戦に惜敗。2・5ゲーム差に離された。 

 雨にぬれ、足元はぬかるんでいた。それでも、試合後の第一声は「立ち上がりからいい気持ちで投げられた」と悪条件を感じさせない一言。絶対に落とせない一戦で残ったのは、雨を言い訳にしない森下の頼もしさだった。

 プロ入り後、降雨で試合開始が遅れたのは初めてだった。キャッチボールやストレッチを続けて気持ちを切らさず、3回までに許したのは内野安打の1安打のみと軽快。そこから一転、4回からは我慢の展開に変わった。

 4回は1死から連打で一、三塁を背負って大山を一邪飛、ロハス・ジュニアを左飛。5回2死一、二塁では代打・糸原を左飛に仕留めるなど、直球を決め球に勝負どころで立て続けに凡飛を奪った。

 最も雨脚が強まった6回が最大のヤマ場だった。変化球が抜けるなど2四球を与え、2死一、二塁で代打・マルテとの勝負を迎えた。カウント2―2から選択したチェンジアップも雨の影響からか高めに抜けた。それでも、相手のタイミングをずらして空振り三振を奪い、1イニング3奪三振で仕事を終えた。

 「(雨でも)もう抑えるしかないと思っていた。しっかりとアウトを取れてよかった」

 6回5安打零封の好投でも悔やんだのは、投手・青柳に許した2安打だった。「アウトを取らないといけない打者で取れていない。そこで走者をためて、球数が増えた」。球数は104球。週頭の先発として、6回の交代に満足できなかった。

 打席では5回1死一、三塁で初球にスクイズを敢行。精いっぱい腕を伸ばしてバットに当てるも、本塁ベース手前に転がるゴロとなって失敗となった。「映像を見たら、そこまで厳しい球ではなかった。自分のミスで流れも変わってしまう。一つ一つのプレーを大事にしたい」。打線の苦戦を自ら救おうとする気合は実らなかった。

 自己最多を更新する11勝目は次回以降に持ち越しとなった。「もっと長い回数を投げて、試合をつくりたい」。3位・阪神とは2・5ゲーム差。好投しても気持ちは晴れず、雨にぬれたユニホーム同様に足取りは重かった。(河合 洋介)

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2022年8月31日のニュース