ヤクルト・長岡“ジーター効果”V撃 小学生時代「ジップヒット」でスイング磨いた売り出し中20歳

[ 2022年6月6日 05:30 ]

交流戦   ヤクルト5―3西武 ( 2022年6月5日    神宮 )

<ヤ・西>6回、勝ち越し適時打を放つ長岡(撮影・尾崎 有希)
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 右手を伸ばし、バットにボールを当てた。しぶとく捉えた打球が投手の頭を越え、中前へ抜ける。ヤクルト・長岡が決勝打。「追い込まれていたのでバットに当てて事を起こしたかった」とホッとした表情で振り返った。

 同点の6回1死三塁。2―2からエンスの低めカットボールに懸命に食らいついた。5試合、18打席ぶりの安打が殊勲打。2回には先制の中犠飛も放っており、開幕から全試合に遊撃で出場を続ける高卒3年目の20歳が2打点の活躍を見せた。

 2軍時代から指導する大松打撃コーチが「当て勘があって、バットのヘッドを使うのが非常にうまい」と評価するミート能力の持ち主。原点は小学生時代だ。2歳上の兄・辰真さんと元ヤンキースのデレク・ジーター氏も薦める打撃練習器具「ジップヒット」で練習。投手役がボールが通されているロープを持ち、もう片方の端を打者の後方のフェンスなどに固定。ロープを伝って移動してくるボールを打つ用具で、変化球軌道への変更も可能だ。メジャー通算3465安打のレジェンドも推薦する用具でスイングを磨き、プロへの基礎を築いた。

 成長著しい背番号58の活躍で今季3度目の4連勝。貯金を今季最多15とし、リーグ戦も交流戦も首位を走る。2万8170人で満員御礼となった神宮。お立ち台で長岡は「拍手だったりが力になっている。これからも、皆さん球場に来てください!」と呼びかけた。次世代を担う20歳がグラウンドで躍動する姿は、ファンに明るい未来を予感させている。(青森 正宣)

 ◇長岡 秀樹(ながおか・ひでき)2001年(平13)9月26日生まれ、千葉県出身の20歳。八千代松陰では3年夏の千葉大会決勝で敗退し、甲子園出場はなし。19年ドラフト5位でヤクルト入りし、1年目の20年10月30日巨人戦でプロ初安打をマークした。1メートル74、74キロ。右投げ左打ち。

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