花巻東・麟太郎 筒香に並んだ高校通算69号「素晴らしい選手と比べていただいてありがたい」

[ 2022年6月6日 05:30 ]

練習試合・第2試合   花巻東5ー6早実 ( 2022年6月5日    花巻球場 )

早実との練習試合2試合目の4回に通算69号の右越えソロを放った花巻東・佐々木
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 また一つ、大物スラッガーが残した数字をクリアした。花巻東の佐々木麟太郎内野手(2年)が5日、岩手県花巻市の花巻球場で行われた早実(東京)との練習試合のダブルヘッダーにいずれも「3番・一塁」で出場。第2試合の第2打席に高校通算69号となる右越えソロを放ち、パイレーツ・筒香嘉智内野手(30)の横浜高時代の通算本塁打数に並んだ。

 佐々木が、同じ左打者で、現在大リーガーの筒香の通算本塁打数に並んだ。「記録は素晴らしい選手と比べていただいてありがたいが、自分は比べものにならない」。本人は謙遜しきりでも、まだ2年生の6月。驚異的な量産ペースであるのは紛れもない事実だ。

 通算67本で春季岩手大会を終え、前日の酒田南(山形)との練習試合で1本加えていた。69本目は第2試合、3点を追う4回1死無走者の場面で出た。初球の低めチェンジアップを右翼ポール際へ。昨年12月に「胸郭出口症候群」の手術を受けた影響で、打撃の感覚にはまだズレがあるというが「今年は本塁打は19本出ている。武器である長打力は衰えているわけではない」と長所を失うことなく、復活に近づいている。

 相手は、高校通算で歴代最多とされる111本塁打の清宮(現日本ハム)が在籍した早実。その清宮が1年時に2本塁打を放った15年夏の甲子園が、佐々木の印象に強く残っていた。「凄い打者だと尊敬している。あのような打者になりたいと、きっかけになった」。清宮の数字も超える可能性も期待される中で「記録は比べていただいたりするが、記録はこだわらず、チーム打撃に徹したい」と、あくまで勝利のためにバットを振る。

 8日に開幕する東北大会前の練習試合は終了し、9日に初戦を迎える。「一戦必勝で貢献するように、自分らしく強い打球を打って得点に絡めればベスト」。進化のただ中にいる大砲が、まずは東北王者をつかみにいく。(田中 健人)

 《清宮育てた早実・和泉監督も期待》早実はダブルヘッダーを1勝1敗で終えた。和泉実監督は「いろんなチーム(との対戦)を経験して強くなる。学ぶことも感じることもあった」と収穫を口にした。高校通算111本塁打の清宮を育てた指揮官は、花巻東の佐々木の打撃を初めて間近で見届け「清宮とはタイプ的には違うが、体は彼(佐々木)の方が大きい。期待したいし、応援したい選手」と話した。

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