関本賢太郎氏 阪神・大山好調の要因は、駆け引きの中で直球をしっかり狙い打てている

[ 2022年6月6日 05:30 ]

交流戦   阪神8ー3日本ハム ( 2022年6月5日    甲子園 )

関本賢太郎氏
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 【関本賢太郎 視点】3回に1点を先制して、なお2死一、三塁で大山が3ラン。カウント1―1からの内角142キロ真っすぐを左翼席に運んだが、決して甘いコースではなく、吉田の失投でもない。「内角直球」を読み切ったからこその一打だった。

 【伏線は1打席目にあった】

 初回2死一、二塁でフォークボールを空振り三振した。4球目の真っすぐを左翼に大きなファウルにしており、これで真っすぐ狙いを感じ取った日本ハムバッテリーはカウント2―2からフォークボール(低めボール)、さらにフルカウントでもフォークを続けた(空振り三振)。

 【大山の執念】

 迎えた3回の第2打席。前の打席でやられた変化球を狙うのか、それとも真っすぐ待ちを続けるのか…。大山が選択したのは後者だった。初球は1、2の3でフルスイングしたが、スライダーだったためファウル。ところが2球目の外角真っすぐを無反応で見逃した(ボール)ことがポイントになる。日本ハムバッテリーは“あれ?この打席は変化球狙いなの?”とここで切り替わったはず。3球目に吉田のもっとも自信のある真っすぐを内角に構えたのはセオリーから外れていないが、大山はこの1球を待ち構えていた。普通は走者2人の状況でホームラン打者に、なかなか真っすぐで内角にストライクを投げてはくれない。読み切ったのではなく、大山が相手バッテリーに内角直球を選択させる根拠を与えて、ここに誘ったのではないかと思う。

 【好調の要因】

 大前提としてタイミングが早く取れている時で、今がそう。元々、2ストライクでもヤマを張って打つタイプで、交流戦でも駆け引きをしたいところだが、パ・リーグの初見の投手には難しく、特に変化球は投手によって軌道も違う。なので大きな違いのないストレートへの比重を高めているのではないか。6月5本塁打のうち4本がストレートだった。また一塁守備も、攻撃に移りやすいポジションなのかもしれない。大山の陰に隠れる形だが、この間に佐藤輝の調子も上がりつつある。打線の得点力が増えることは間違いなく、巻き返しの態勢が整ってきた。(スポニチ本紙評論家)

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