Good 大谷 Morning9K MLB初「1番・投手」で開幕 決めていた5年目の初球161キロ

[ 2022年4月9日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス1ー3アストロズ ( 2022年4月7日    アナハイム )

<エンゼルス・アストロズ>3回、アルテューベから三振を奪いガッツポーズの大谷(撮影・光山 貴大)
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 大リーグが7日(日本時間8日)に開幕し、エンゼルスの大谷翔平投手(27)はアストロズ戦に開幕史上初の「1番・投手」で出場して降板後はDHとしてプレーした。投げては4回2/3を4安打1失点で9三振を奪い、打者では4打数無安打だった。今季からの通称「大谷ルール」の適用第1号となり、メジャー5年目で初の開幕投手は結果こそ敗戦投手となったが、また新たに歴史的な足跡を残した。

 心に決めていた。メジャー5年目で初の開幕投手の初回、その初球。大谷が先頭打者のアルテューベに思い切り直球を投げ込んだ。外角へのワンバウンドのボールとなったが、99.8マイル(約161キロ)を計測した。

 「初球は恐らく振ってくるという話をしていた。変化球を投げるつもりはなかった。(周囲から)初めから100マイル(約161キロ)を投げろと言われていた。そのつもりで投げた」

 エンゼルスタジアムは気温34度で高温注意勧告が出る中、4万4723人の地鳴りのような大歓声が鳴り響いた。「振ってくるなら1球で終わる可能性もある。その選択の方が確率が高いなと思っていった」。最後はスプリットで見逃し三振。気迫で圧倒した。

 アルテューベには3回は97マイル(約156キロ)直球で空振り三振。5回はスライダーで再び空振り三振を奪ったところで降板となった。昨季6打数4安打の打率.667とやられた宿敵を完膚なきまでに封じた。17年MVPで首位打者3度の強打者から1試合3三振を奪った投手は、サイ・ヤング賞3度のシャーザー(メッツ)ら、他に3人しかいない。スプリットの制球に苦しんだが「良くないからこそ、投げるカウントでは投げるという選択肢もある」。余力を残し的を絞らせなかった。

 自らの判断でオープン戦登板を2度に減らした結果、球数は80球に制限されたが、4回2/3を4安打1失点で、アウト14個中、9個を三振で奪った。援護に恵まれず黒星こそ付いたが、昨季はあと1勝届かなかった、1918年のベーブ・ルース以来となる「2桁勝利&2桁本塁打」へ向けて進化した姿を証明した。ジョー・マドン監督は「直球の制球が良くなっている。それが(昨季と)大きな違い」と称賛。次戦は未定だが、球数は100球前後がめどの通常運転に戻るとみられる。

 球場では試合前から何度も「MVP」コールが鳴り響き、人気は絶大だった。「うれしかった。ありがたいし、できれば勝って帰るのが一番良かった。そうならなかったので、また来てくれた時に、勝って帰ってこられるようにしたい」と笑顔で誓った。結果以上に強いインパクトを中身で示し、凄みを増したショータイムが開演した。(柳原 直之)

 《アルテューベを3三振≒サイ・ヤング賞!?》アルテューベから1試合3三振を奪った投手は大谷で4人目。12年6月13日のマット・ケーン(ジャイアンツ)はその試合で完全試合を達成。他は、17年8月14日のザック・グリンキー(当時ダイヤモンドバックス、現ロイヤルズ)、21年8月4日のマックス・シャーザー(当時ドジャース、現メッツ)。09年サイ・ヤング賞のグリンキーは現役2位の通算219勝、シャーザーは同3位の同190勝で3度のサイ・ヤング賞を誇る。

 《サイン伝達機 今回は使用せず》今季からバッテリー間のサイン伝達のため電子機器の使用が認められるが、大谷は使用しなかった。サイン盗み防止のためで、捕手がリストバンドに装着した機器で球種やコースを伝え、投手は帽子に付けた受信機で音声を聞き取る。「使う選択肢もあったが、捕手も僕もまだ試していない状態だったので今日は使わない方向でいった」と明かし、今後の使用については含みを持たせた。

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2022年4月9日のニュース