エンゼルス・大谷「いったと思った」8回大飛球 投手→DH「SHOルール」初適用も無安打

[ 2022年4月9日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス1-3アストロズ ( 2022年4月7日    アナハイム )

<エンゼルス・アストロズ>8回、右翼へ大飛球を放つ大谷。結果は右飛(撮影・光山 貴大)
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 エンゼルス・大谷は5回途中の降板時、マドン監督からの問いかけに「イエス!」と答え、昨季までなら立てなかった残り2打席にDHで臨んだ。2点を追う8回2死三塁では、右翼へ高い弾道を運び同点を予感させたが、フェンス際で失速して右飛。「自分ではいったかなと思っていた。打つべき時に一本打てていれば違った展開になった」と4打数無安打で試合にも敗れて悔しがった。

 「1番・投手」での開幕戦出場は史上初めて。そこに大きな変革も加わった。打順に入った先発投手が、降板後もDHで出場し続けられる通称「大谷ルール」が誕生。大谷は「凄いありがたいな、と思ってやらせてもらっている」と話した。

 新ルールは開幕1週間前の3月末に正式決定した。ジョー・マドン監督が「SHO(HEI)ルールだ」と言うように、現実的には大谷のためだけの制度変更。「今は自分しかいないが、この先恩恵を受ける選手もたくさん出てくるし、チームの幅も広がる」と新たな二刀流選手の台頭にも期待を寄せた。敵将のアストロズ、ダスティ・ベーカー監督でさえも「エンゼルスに、大谷にとって有利だ。そして何よりもファンにとっていいルールだよ」と異例の変更を支持する構えをみせた。

 米誌「TIME」は開幕に合わせた最新号の表紙に大谷を抜てき。同誌の表紙を野球が飾るのは、86年ぶり世界一に輝いた04年のレッドソックス以来で「野球には大谷翔平が必要」と紹介された。歴史的な二刀流のショータイムに全米が沸き立ったが、エンゼルスは敗れた。ファンも大谷本人も、何より見たいのはチームが勝利し、14年を最後に遠ざかるポストシーズンに進出する姿だ。大谷ルールが無安打で機能せず、力なく黒星発進となった姿に、低迷したここ数年のチーム状態を思い起こすファンも多かった。

 故障で昨季中盤以降不在だったトラウト、レンドンは2、3番で戻った。だがトラウトが1安打のみで、チームとしてもわずか4安打に終わった。投手・大谷を誰よりも救うのは、打者・大谷のバットしかない。大谷ルールでは降板後、アイシングなどの肩肘のケアを施さないまま出続ける必要があるが、今後を含め「自分の体としては全然いける。出られる限り出たい」。浮沈はやはり二刀流の双肩にかかってくる。

 ▽大谷ルール 指名打者(DH)の新ルールで、昨季まで投手と打者で同時出場するにはDHを解除する必要があったが、今季から打順に入った先発投手は降板後もDHで出場を続けられる。DHに代打が出て、先発投手として投げ続けることも可能。昨夏のオールスター戦で特例として採用され、大谷は先発投手と「1番・DH」の二刀流で出場した。DH制はア・リーグで73年に採用され、今季からナ・リーグでも導入された。

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2022年4月9日のニュース