松坂大輔氏 大谷の開幕二刀流観戦 幻惑カーブ“今後の布石”新たな配球パターン

[ 2022年4月9日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス1-3アストロズ ( 2022年4月7日    アナハイム )

エンゼルス・大谷の投球をスタンドから見つめる松坂大輔氏
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 【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】スポニチ本紙評論家の松坂大輔氏(41)が、開幕投手を務めた大谷の投球を現地でチェックした。エンゼルスタジアムのネット裏から見届け、アストロズ打線の2巡目以降に多投したカーブに着目。新たな投球パターンとして今後対戦する相手が100マイル(約161キロ)の直球、得意のスプリット以外にも「ケアしないといけない球種が増えた」と分析した。

 メジャー5年目で初の開幕投手。80球という少ない球数の中で、大谷投手はチームが勝てるよう最善を尽くしたと思います。先制された3回2死二塁では、ブレグマン選手に数少ない甘いボールを捉えられました。高めに浮いた甘いスプリットを打たれましたが、紙一重だったと思います。

 改めて一球一球のボールの質の高さを感じました。オープン戦でも大谷投手の登板を1試合見ましたが、その時と変わらずカーブ、スライダーなどは非常に安定していたと思います。どの球種もカウントが取れて、空振りを奪えて、そして決め球になる。この日は特にカーブに目を引かれました。

 3回1死、相手打線が2巡目に入ったところから4人連続で初球にカーブを投じました。アストロズ打線は直球、スプリットを頭に入れて大谷投手の攻略を狙っていた印象で、打者の目線をずらそうとの意図を感じました。昨季、大谷投手の全投球数2027球のうちカーブは72球。割合はわずか3・6%でした。この日は80球のうち11球で13・8%。ア軍もここまで多くカーブを投げてくるとは思わなかったでしょう。

 3回2死二塁のピンチでもブレグマン選手への初球がカーブ。4回1死ではタッカー選手からカーブで空振り三振を奪いましたが、今後につながる投球内容だったと思います。大谷投手の新たな配球パターンを直接見たア軍はもちろん、これから対戦する他球団もカーブを頭に入れなければならなくなるでしょう。100マイルの直球との緩急差もあり、ケアしなければならない球種が増える相手にしてみれば厄介です。

 今後は球数、イニング数も増えていくと思います。次回以降の登板も非常に楽しみにしています。(スポニチ本紙評論家)

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