広島・遠藤 6回1失点今季初黒星も「価値ある1敗」 中日・柳との投げ合いで成長見せつけた

[ 2022年4月4日 05:30 ]

セ・リーグ   広島0ー1中日 ( 2022年4月3日    バンテリンD )

<中・広(3)>帽子を取り、スタンドを見上げる遠藤(撮影・椎名 航)
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 広島・遠藤淳志投手(22)が3日の中日戦で今季初黒星を喫しながら、6回1失点の力投を見せた。両者無得点の6回に阿部に決勝打を献上するも、柳との投げ合いで確かな成長を示した。しかし、打線が3安打のみと沈黙して今季初の零敗。開幕6連勝後に同一カード3連敗となり、首位・巨人とのゲーム差が「2」に広がった。

 投げ合った柳のように軽快にはいかなかった。その代わりに遠藤の我慢強さが光った。「価値ある1敗だったと思う。だけど負けは負け。この悔しさを次の登板につなげたい」。白星の思いをより強くする1敗となった。

 昨季との違いは、走者を背負ってからの落ち着きにある。6イニングで3者凡退は1度しかなかった。「絶対に先に点を取られないようにと粘って粘って、粘り強く投げようと思った」と我慢し、5回までは3安打1死球で無失点と狙い通りだった。

 その力投を見せた一方で、自らが与えた失点で連敗が伸びたのも事実だ。6回2死無走者からビシエドに左翼フェンス直撃の二塁打を許すと、阿部には1ストライクからの直球を左前に落とされる先制打。これが両軍唯一の得点となった。

 「ビシエド、阿部さんに内角に投げ切れていたけど、そこはあと一つ技術の部分なのかなと思った。悔しい。もっと投げたかった」

 柳と我慢強く投げ合った姿に佐々岡監督は「しっかりと低めに投げて、試合をつくってくれた」と上々の評価を与えた。指揮官は開幕直前も先発6番手枠の競争を促し、2軍投手にもハッパを掛けてきた。それは、遠藤がまだ確固たる信頼を得られていなかった証でもある。その中で前回3月27日のDeNA戦の4回2失点に続く力投。普段は手厳しい指揮官の評価が変わりつつある。

 高卒3年目の20年に先発ローテーションを1年間守り抜いて5勝を挙げながら、昨季は登板2試合と期待を裏切った。「おととしや去年よりも全然良くなっているし、自信を持ってマウンドに上がれている。柳さんと投げ合えたこともいい経験。いいところはたくさん見せてもらったので、次にいい投球ができるように頑張りたい」。同一カード3連敗となった名古屋遠征の中での数少ない光。2年ぶりの白星に一歩ずつ着実に近づいている。 (河合 洋介)

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