ソフトバンク・栗原の穴埋めへ 藤本監督新オプション明かす「中村晃がキーマン、レフトもある」

[ 2022年4月4日 05:30 ]

気合十分に打撃練習するソフトバンク・中村晃(撮影・篠原岳夫)
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 楽天に多数の新型コロナウイルス陽性者が発生し試合が中止になったソフトバンクは3日、楽天生命パークで全体練習を行った。打率と出塁率でリーグトップの中村晃外野手(32)は、左膝前十字じん帯断裂で長期離脱となった栗原陵矢外野手(25)が守っていた左翼でノックを受けた。栗原と交錯した上林誠知外野手(26)も後輩の無念を晴らす決意だ。チームは5日のオリックス戦で再スタートを切る。

 結果を出すことがチームと栗原のためになる。1月の自主トレをともにした中村晃は、「できることは自分のプレーしかない」と言い切る。栗原は左膝のじん帯を断裂する大ケガ。長期離脱に備えて中村晃は全体練習で、春季キャンプでも守っていない左翼でノックを受けた。昨季から主に一塁で出場し、今季も出場6試合は全て一塁を守ったが本来は外野手。「感覚をもう一回取り戻さないといけない」と精力的にボールを呼んだ。藤本監督は「中村晃は僕の中でキーマン。栗原がケガしたので、レフトもあるのかな」と新オプションを明かした。

 打線でも、弟子が務めていた5番に座り結果を残し続けている晃。ここまでリーグトップの打率・467、出塁率・619をマークし「ヒットゾーンに運べているということはタイミングも合っている」とうなずいた。練習では一度フリー打撃を終えると、再びバットを持ち“おかわり”。ほとんどの選手が引き揚げた中、黙々と打ち込んだ。

 「試合が3日間空く。感覚的なものもあるので、なるべく打っておこうかなと。いい感じできているので、さらに良くしたい」

 開幕戦は4打数無安打。打席内では腰を揺らすフォームを試すなど試行錯誤した。「開幕戦の映像を見て、自分の思い描いているフォームと凄いギャップがあった」と修正。フリー打撃では逆方向に鋭い打球を連発した。

 上林も思いは同じだ。3月30日のロッテ戦の9回、外野守備で栗原と交錯。「自分が元気なかったら栗原も心配になってしまう。頑張らなきゃ、という思いがより一層強くなった」。後輩の無念を痛いほど感じている。

 今季は初戦で2死球。その影響もあって10打数1安打、打率・100と数字は振るわない。それでも「良いスイングもあるし、ボールが見えてないとかもない。開幕戦で2回当たることもなかなかない。今年は“当たり年”にしたい」とフリー打撃では50スイングで3本の柵越え。前向きにバットを振った。

 藤本監督は「50打席で今の状態はしんどいが、10打席ぐらいで判断するのはかわいそう」と話した。左打ち2人の思いは一つ。栗原が帰ってくるまで、その穴を埋めることだ。 (福井 亮太)

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2022年4月4日のニュース