阪神9連敗も反撃の6回・救いの9回 2号弾も笑顔なしの糸井「なんとか勝って流れ変えていく」

[ 2022年4月4日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5ー9巨人 ( 2022年4月3日    東京D )

<巨・神(3)> 6回1死二塁、右越え2ランを放ちナインに迎えられる糸井(撮影・大森 寛明)
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 試合後、阪神の井上ヘッドは選手たちを集め、呼びかけた。「甲子園で出直しというようなことを伝えた」。5日は、待望の甲子園開幕戦。虎党が詰めかけるホームグラウンドでの巻き返しを誓った。

 もちろん、選手たちも同じ気持ちだった。6点劣勢で迎えた9回。開幕9連敗は目前でも、木浪が、そして、梅野が意地を見せた。

 まずは木浪が快音を響かせた。1死走者なし。ビエイラが投じた3球目の外角157キロにヘッドをかぶせ、右中間席へと突き刺した。初スタメンだった2日は3打数無安打。この日も無安打のまま迎えた4打席目で、待望の今季1号をかっ飛ばした。

 続く梅野も勝利にかける執念をにじませた。カウント3―2からの6球目。155キロの内角直球に対し、うまく両腕をたたみ白球をとらえた。左翼席中段へ飛び込む今季1号。これが巨人の守護神・ビエイラにとって、来日3年通算86試合目で初の1試合2被弾だった。

 「とにかく、なんとしても逆転したいという思いだけ」

 あきらめない気持ちは、ベテラン糸井も同じだった。0―5の6回。それまで2安打に封じられていた新人・赤星に牙をむいた。低めの外角ツーシームにうまく反応。すくい上げるように右翼席へ運び、一時3点差に詰め寄る2ランを放った。チームの危機感を象徴するように、笑顔を浮かべることなくダイヤモンドを一周。試合後の取材でも「早く1勝できるように頑張ります。なんとか勝って流れを変えていけるように最善を尽くしたい」と言葉を絞り出し、後輩たちとの巻き返しを約束した。

 安打数だけを見れば9戦で73安打を放ち、6勝3敗と好調だった昨季の69安打を上回っているというデータもある。3連敗に終わったとはいえ、3戦とも最終9回に得点を奪った。簡単には終わらない。その姿勢は、シーズンでも貫き通す。

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