カブス・誠也弾に実況アナ「Seiya!」 定番「See ya!」にかけたフレーズ定着の予感

[ 2022年4月4日 02:30 ]

オープン戦   カブス5―4エンゼルス ( 2022年4月2日    メサ )

<カブス・エンゼルス>4回、オープン戦2号となる2ランを放ちベンチで祝福されるカブス・鈴木(共同)
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 快音とともに絶叫が響いた。カブスの鈴木誠也外野手(27)が2日(日本時間3日)、エンゼルス戦に「5番・右翼」で出場し、4回に2号2ランを放った。メジャーの投手への適応に試行錯誤が続く中で、2試合5打席ぶりの一発。実況アナウンサーは、鈴木の名前と本塁打の際の決まり文句をかけて叫んだ。新天地で定着の予感が漂う。

 4回2死一塁。鈴木は左中間席へ豪快なアーチを描いた。三塁を回ったところで三塁コーチに向かって両手を合わせ、お辞儀ポーズも披露した。

 「強くしっかり振ることができた。結果より(自分の)スイングができたことが良かった」

 冷静な本人と対照的に、興奮を隠さなかったのは実況席だ。
 地元シカゴの中継局「マーキー・スポーツ・ネットワーク」のジョン・シアンビ・アナウンサーは「Seiya! Seiya Suzuki!」と声を張り上げた。最初の「Seiya!」は「誠也」と、本塁打の際の決まり文句の一つ「See ya!(See you=ボールよ、さようなら!)」をかけたもの。ヤンキースの中継局YESネットワークのマイケル・ケイ氏が定着させたフレーズの変化形で、5年総額8500万ドル(約104億5500万円)で加入したルーキーの一発が称えられた。

 直前までオープン戦15打席で13打数1安打の打率.077。本調子ではない。しかし、エンゼルスで大谷に次ぐ開幕2番手の左腕サンドバルに追い込まれても焦りはなかった。
 「適当にやろうと。あんまり考え過ぎてもよろしくないかなと。適当に振ろうと割り切ってやっていました」

 適当、とはシンプルに自分のスイングを貫くこと。1ボール2ストライクから内角低めのスライダーに左足を上げ、バットのヘッドを走らせた。第1打席では追い込まれてから3月30日のマリナーズ戦で1号を放ったのと同様のノーステップ打法で臨み、チェンジアップに空振り三振。「当てにいっている感じがして嫌だな」と次打席で切り替えた。

 「失敗によって、きっかけが生まれることもたくさんある。(本塁打は)自然と手が走ってさばけた」。トライ&エラーを続ける中で進化を模索。その先にアーチ量産と、大谷の「ビッグフライ、オオタニサ~ン!」のような名フレーズの定着が待望されている。(笹田幸嗣通信員)

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