阪神 ついにセ・リーグ新記録の開幕9連敗 矢野監督信念貫く「俺らの野球をやるしかない」

[ 2022年4月4日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5ー9巨人 ( 2022年4月3日    東京D )

<巨・神(3)> 8ベンチで厳しい表情の矢野監督(撮影・大森 寛明)
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 阪神は3日の巨人戦で5―9で敗れ、開幕からの連敗はついにセ・リーグ新記録の9まで伸びた。宿敵との3連戦はいずれも先発投手が初回に被弾。相手お得意の「空中戦」に持ち込まれ、追い上げ及ばずに力尽きる展開が繰り返された。逆境をはね返せず、出口の見えない苦悩が続く。それでも、矢野燿大監督(53)は自分たちの野球を貫くことを誓い、必死で前を向いた。

 目は充血し、その顔には開幕からの9試合を屈辱の全敗で終えた疲労がにじみ出ていた。1勝があまりにも遠い。9回の反撃も空しく終わり、矢野監督はここ数試合と同じように必死で言葉を絞り出した。

 「いつも一緒になっちゃうけど俺らの野球をやるしかないんで。『超積極的』とか『あきらめない』とか『挑戦する』とか。今までそういうものを大事に戦ってきたんで。何か大きく変えられることはちょっと俺も浮かばない。だからこそ目の前に集中して、誰かに変えてもらうんじゃなくて、一人一人が『俺が変えてやる』という気持ちでね。もちろん俺もそう」

 開幕投手予定だった青柳の直前離脱。新守護神に指名したケラーの背信。マルテの負傷…。もちろん、誤算はある。ただ、それは他球団も同じで、言い訳にはできない。指揮官としても打順を変え、2軍から選手を呼び寄せ、打てる手は打ってきたが、どうしても勝てない。今季限りの退任を公表して臨んだシーズンは、苦悩の毎日から始まった。

 宿敵との3連戦は、3戦とも初回に先発投手が被弾。特にこの日はガンケルが中田に左越え満塁弾を浴び、一気に試合のすう勢を決められた。東京ドームで一番避けたかったのが「空中戦」。次回に大きな課題が残った。

 「この球場はある程度仕方がない部分で、そのバランスがすごく難しい。だからこそバッテリーで協力して、より意識を高めてやっていかないと。難しい球場やけど、それでも勝負して、抑えていかないとダメ」

 広島、東京での失意の敵地6連戦が終わり、5日のDeNA戦でいよいよ甲子園開幕を迎える。入場制限もなく、大観衆の後押しが待つ。

 「もう今は何でもきっかけにしたいし。プラスに捉えられるものはプラスに捉えていきたい。もがき苦しんで、その中から成長していけるものを、チームも俺も見つけていかないとダメなんでね」

 明けない夜はない。下だけは向けない。(山添 晴治)

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