オリ・宮城「もちろん負けたくない」 同僚・由伸を再び突き放す両リーグ最多11勝 今季最多貯金12導く

[ 2021年8月22日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス2-0西武 ( 2021年8月21日    京セラD )

(オ・西17)両手で11勝の11を作り打のヒーローT―岡田とポーズを決める宮城(左)(撮影・後藤 正志)
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 19歳最後の登板でベテランのような対応力だ。21球を要した初回を終え、オリックス・宮城は足元を見つめなおした。プレートの位置を左打者には三塁側、右打者には一塁寄りに巧みに踏み替えるのが昨秋デビューからのスタイル。固執せず、2回からは常に一塁側を踏んで投げた。

 「左打者への外角スライダーが曲がり過ぎていたので。ボール球が多くなり、苦しくなると思いました。2回から左右関係なく、一塁側から投げることでリセットできました」

 ストライクゾーンの中で高低や左右、角度も修正。3回をわずか6球で退けると、圧巻は6回だ。1死一、三塁で迎えた中村をフルカウントからの6球目、外角チェンジアップで狙い通りの遊ゴロ併殺に仕留めた。ベンチに戻る際、中村が投げ捨てたバットを拾い上げ、ボールボーイに手渡す姿には余裕すら漂うほどだった。

 7回無失点で自己最長6連勝。両リーグ最多11勝目を飾り、前夜に並ばれた山本を再び突き放した。東京五輪で活躍した先輩は最高のお手本。金メダルを持たせてもらい、重みも感じた。「決め球や初球の入り方、自分が難しいと感じることを難なくできる人。もちろん負けたくない気持ちはあります」。左右両輪の競い合いが4連勝&今季最多貯金12の原動力で、中嶋監督にも「2人で、やっちゃってください」と期待された。

 25日が20歳の誕生日。「車の免許を取りたい。プロ野球選手って、格好いい車に乗っていますし。僕も(山下)舜平大とか後輩を乗せて、コンビニで年齢確認されたいです」。まだ幼さの残る左腕の輝きがまぶしい。(湯澤 涼)

 ○…宮城(オ)がリーグ単独最多勝返り咲きの11勝目。対パ球団は13試合で無傷の9勝。中でも西武戦は5戦5勝の防御率1・34と圧倒している。チーム投手の西武戦開幕5戦5勝は71年足立光宏、10年の金子に並ぶ11年ぶり3人目の最多記録。

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