あなたの思い出のグランドスラムは? 

[ 2021年8月22日 18:58 ]

(オ・西18)初回無死満塁、先制の満塁本塁打を放つ中村(撮影・後藤 正志)
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 夏休みも終盤。プロ野球は22日、各地で大きな花火が上がった。

 東京ドームではここ数日の話題の中心、巨人・中田翔内野手(32)が、移籍初本塁打。京セラドームでは西武の中村剛也内野手(38)が初回無死満塁から左中間へ、先制の10号満塁本塁打を放った。自身のプロ野球記録を更新する通算22本目のグランドスラム。2位・王貞治(ソフトバンク球団会長)の15本を7本も上回る「満塁男」の真骨頂だった。

 「満塁弾」で思い出す試合がある。実際に生で観戦した中では、もっとも衝撃だったグランドスラム。巨人担当だった15年前の06年4月30日、東京ドームでの巨人―中日戦だった。「3番・遊撃」で先発出場したのが現3軍監督の二岡智宏。4回2死満塁から左中間へ満塁本塁打を放つと、5回にも2死満塁から右越え満塁弾を叩き込んだ。「プロ野球史上初の2打席連続満弾」。実はこの試合、二岡は初回にも先制2ランを放っており。3本塁打の3安打で10打点。「チャンスをつくってくれた前のバッターに感謝します」と言いながら笑っていた姿が忘れられない。10打点は1試合のリーグタイ記録でもあった。

 もう1つは楽天担当時代。07年の4月1日、楽天―オリックス戦だった。まだ肌寒かった仙台でのホームゲーム。3回、まずはフェルナンデスが満塁弾を放つとその後、山崎武司にもグランドスラムが出た。「1イニング満弾2発」。ちなみに打たれた投手は現ロッテ・吉井投手コーチだった。左越えへの一発だった山崎武は「打席に入る前、そういえば中日の時にやられているって思い出した」。中日時代の96年10月9日の阪神戦で、新庄、塩谷が記録した史上初の1イニング満塁本塁打2発を左翼の守備位置から目撃していたのだ。山崎とフェルナンデスが史上3度目。当時の野村克也監督も「プロ野球70年で3回か。たいしたもんや。今世紀初か?」と目を丸くしていた。

 敵味方ともにインパクトが強く、記憶に鮮明に残る満塁弾。さて、みなさんの思い出に残るグランドスラムはどんな1発だろうか?(記者コラム・春川 英樹)

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2021年8月22日のニュース